リンク先を確認して「いいね!」をクリックする人と確認しない人—インターネットより狼煙の時代[3](松沢呉一)-2,868文字-
「Twitterの問題点—インターネットより狼煙の時代[2]」の続きです。
リンクつき投稿におけるクリック率
「リテラシーの向上だけではデマに対抗できない—BuzzFeedの姿勢を支持する 1」や「間違いが撤回されない事情—本当に児童生徒の読解力は落ちているのか?[5]」で、ネットでデマが発生しやすい事情と、それが撤回されない事情について論じてきました。とくにTwitterでこの傾向が強い。だから、利用価値があると考えるのが出てきて、いよいよ戦略的デマが流通してしまいます。
Facebookに比して、Twitterは反応がヴィヴィッドであること自体はいいこととも言えますが、その特性を生かすためには迅速さが求められ、「情報のスピードと量を維持する」という使命を果たすことが必須になります。その結果、「しがみつく」という状態になりやすい。
情報に迅速に反応するために、デマが流れやすくもなります。最初から文字数が少ないため、精査せずに発信していいように思えて、時間を置いて検討したり、事実関係を調べてから反応する人は少なくなる。多数の情報を処理するためには表層を理解すればよく、もしくは理解さえしなくてよく、右から左に情報を流せば、楽して自己承認が得られる。
楽して自己承認を求めるのはどこのSNSも一緒であって、人間というのはそういうものです。私もそうです。「間違ったことを書くとまずい」という思いが人より強いかもしれない分、セーブをするだけ。
しかし、同じ人間でもSNSによって違うふるまいをします。
※しがみつく状態から逃れるため、使用時間制限をしてくれるアプリ「ツイタイマー」。こういうアプリも人によっては必要でしょうが、SNSの特性を冷静に見極めることで依存から脱する方が「自覚的」「学習的」という点で推奨できます。「ビバノン」のこのシリーズを読むってことです。
Facebookユーザーの方がリンク先を見ない率が高い
調査によってはFacebook利用者の方が「情報に対する姿勢が甘い」と思える数字が出ています。
「市場調査メディア ホテノ」より
「全部見ている」は「すべてのリンク先をともあれ開いている」なのか「開いた上ですべてに目を通している」なのかがわからないのですが、他の選択肢との兼ね合いを考えると、前者でしょう。
私はシェアはもちろん、「いいね!」をつける時は必ずリンク先に飛ぶようにしています。長文の場合、長い動画の場合、最後まで読んだり、観たりせずとも、内容がざっと理解できた段階で反応することもありますが、ともあれ開きます。そうしている人はわずか数パーセントなのか(この記事にはその数字が出ていないため、この調査のグラフ集をダウンロードしようとしたのですが、なぜかうまくいかなかった)。
「リンク先を開くことはない」「(リンク先を)ほとんど見ていない」を合わせた数字は、Twitterユーザーの29パーセント、Facebookユーザーの42%で、後者の方がずっと高い。よく考えると納得の数字です。
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