町のクリニックも多数休診に—コロナの時代に流行るもの・廃るもの[14]-(松沢呉一)
「休んでいる店・やっている店—コロナの時代に流行るもの・廃るもの[13]」の続きです。
銭湯の現状
娯楽がなくなって、銭湯が唯一の楽しみという人たちが増えていて、銭湯のおばちゃんも「ふだん見ない人が来るようになった」と言ってましたが、組合銭湯も一部休業していますのでお気をつけください。
休業しているのはわずかですが、営業時間を短縮している銭湯は相当数あって、私もやっているはずの時間に行ったらもう終わっていたことが一回ありました。閉じたシャッターの前で立ちすくむのがマゾ的に好きなので、それもまたよしですが、無駄足を踏むのがイヤな方は事前に確認するか、早めに行った方がいいかと思います。
サウナをやめている銭湯が多いので、サウナ目当ての人も事前に確認のこと。COVID-19のウイルスは高温多湿に弱いとされていますが、狭くて密閉されていて、人によっては話もします。話をするなら露天風呂の方がよろしいかと。
緊急事態宣言の前は少なかったのですが、今はフロントや番台にいる銭湯の人たちもたいていマスクをしています。銭湯までマスクをして来る客は少なかったのですが、今はよく見かけます。
ちょっと前にもマスクをした客が待合スペースで銭湯のおばちゃんと「アベノマスク」の話をしてました。「アベノマスクが届いていたけど、小さくて使えねえよ」と。このおっちゃんは立派な大きいマスクをしていました。ちなみにうちはまだ届いてません。使わないので、欲しい人にあげます。
それでも銭湯は営業しているだけまし。以下は全部景気の悪い話です。
書店休業にともなう出版社の危機的現状
ちょっと前に、紀伊国屋本店に行ったら休みでした。たしかに新宿は人が少ないですから、営業しても売り上げは激減かもしれない。
と思ったら、紀伊国屋は全店舗休業なんですね。丸善ジュンク堂も一部を除いて、ゴールデンウィーク中は一斉休業。
大きい書店は駅ビルに入っていることがよくあって、建物全体が休館になっているとどうしようもない。書店はついでに寄る人が多く、ビルの中で書店だけやっても客は来ない。
町の書店はやっているところが多くて、前に書いた通り、やはり売り上げは伸びているそうですけど、大きい書店が軒並み休業のため、出版物全体の売り上げは落ち気味です。なんのかんの言っても日本はまだ書店のシェアが大きくて、電子書籍が少々伸びたところで追っ付かないでしょう。せっかく出版業界にとっては起死回生のチャンスかと思ったのに。
すでに福祉関係の大学生向け教科書を出していた版元がコロナ倒産。まだまだ続きそうです。
アパレル関連の危機的現状
東京商工リサーチのサイトは時々チェックしていて、新型コロナ関連の経営破綻(倒産+準備中)が続々増えています。
5月1日現在、累計114件、5月1日に確認できただけで5件。ここでリストアップされているのは負債金額1千万円以上で、負債金額は少なくても資金繰りがうまくいかなくて破綻することもあって、1千万円以下は57件とあります。いずれもコロナ関連だと確認できている法人のみですから実際にはもっと多いでしょう。
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