ただのフーリガンと化したフェミニストたち—ポストコロナのプロテスト[59]-(松沢呉一)
「論理なき社会運動の行く末をメキシコに見る—ポストコロナのプロテスト[58]」の続きです。
メディアを拒否してメディアを独占する覆面部隊
では、話を戻してアナキズム系フェミニストです。本年3月8日の国際婦人デーにも覆面部隊が参加していて、暴れてました。
以下の動画がこの日の全体をとらえつつ、覆面部隊もとらえています。オススメ。
Ford Quartermanさんは在メキシコ米人のようです。共感するつもりで会場に行ったら、スプレーで落書きをしたり、ガラスを割ったりしている覆面部隊に直面して、「うーん」となってしまったよう。
しかも、その撮影をしていると妨害が入っています。たぶん「撮影するな」と言われたのでしょう。
昨年も覆面部隊にジャーナリストが暴行されていて、2名が負傷しているそうです。
コーランを焼かれて暴れて、暴れたところを撮るなと言っているムスリムと同じ。あるいは新聞社の業務妨害をやったロンドンのXRやテレビ局を焼き討ちしたナイジェリアの暴徒と同じ。
Qアノンなどプランデミック派とも同じ。彼らもよくメディアを排除しています。
さらには香港のテレビ局員を逮捕した中国共産党とも同じです。中国共産党のメディア潰しはさらに大規模に長期間やっているわけですが。
メキシコの麻薬カルテルを取材しているジャーナリストは多数殺害されています。殺人事件を減らすには、その原因になっている麻薬カルテルを抑制しないとどうしようもないわけですが、麻薬カルテルに連携するようにメディアをも敵視しているのが覆面部隊です。
メディアはどうしたってキャッチーな部分を取り上げます。メディアの多くが覆面部隊ばかりを取り上げたため、あたかも全体が暴力集団であるかのようにとらえた人も多いはずです。覆面部隊はメディアを敵視しながらもメディアを独占してしまってます。
再生回数を考えれば、短時間で派手な部分を撮影し、急いで社に帰ってコンパクトに編集し、どこより早く出すことが望まれます。これはどうしようもないことですが、その点、このYouTuberの映像は数時間は現場にいて、全体もわかるようになっています。どこよりもフラットな印象です。報道機関としてのYouTuberの役割を実感できます。
妨害者、侵入者にしか見えない覆面部隊
Ford Quartermanさんは、このことを含めて参加者にも意見を聞いていて、参加者は覆面部隊に否定的なことを言っているのだと想像できます。スペイン語がわかりたい。
彼は大前提としてこの日の行動を肯定的にとらえているようですが、覆面部隊の行動に疑問符がついて、コメント欄に意見を書いて欲しいと呼びかけており、3万5千ものコメントがついてます。
一部を読みましたが、大半が「あれは一部の人たちの行動」といったように、全体を肯定、覆面部隊を否定しています。もっと読んだ方がいいんでしょうけど、コメント欄を自動翻訳で読んでもよくわからんです。俗語、ネット用語、略語が多用されていて、意味を正確に受け取れない。
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