松沢呉一のビバノン・ライフ

ロマンス詐欺のことを聞こうと思ってナイジェリア人に声をかけたらカメルーン人で、「カメルーンではロマンス詐欺じゃなくて、戦争やってる」と言われました-(松沢呉一)

 

ベートーヴェンとロマンス詐欺

 

vivanon_sentence昨日の朝、ベートーヴェンの夢を見ました。彼は若い娘さんに恋をしてまして、彼女に部屋を提供して、「この部屋はこれから君のものだから何に使ってもいい」と言います。もちろん、下心あってのことです。

しかし、彼女はそんなベートーヴェンの気持ちに気づいておらず、男をとっかえひっかえその部屋に連れ込んでます。ヤリマンなのです。

これに対して「あの女は詐欺師だ」と言い出す人たちが出てきて、私は「いや、彼女はベートーヴェンの気持ちに気づいていないんだから詐欺のわけがない。鈍感とは言えても非難されるようなものではなくて、好きに使っていいと言われて好きに使っているだけだろ」と弁護しました。

ちなみにベートーヴェンは彼女がヤリマンだと気づいていません。たしかに美形で上品ですけど、お嬢様ほどヤリマンになりやすいものです。まあまあいい曲を作るんですけど、ベートーヴェンもこういうところは鈍感です。

という夢。服装や風景は昔のヨーロッパ風でしたが(ベートーヴェンはよく見る肖像の髪型ではなく、バッハみたいなヅラでした)、言葉は全部日本語。

なんでこんな夢を見たのかと言えば、間違いなく「紀州のドンファンの元妻とか小室なんとかさんの母とか—詐欺が流行り[上]」と「ロマンスを求める軍人キム・カストロ(Kim Castro)ちゃんに注意—詐欺が流行り[下]」に書いた「ロマンス詐欺」が尾を引いているためです。ずっと関連記事を読んでいます。いろんな国の記事を読んでいますが、自動翻訳で全部日本語。

古いパソコンを無理矢理使っているため、自動翻訳できないことがあるのが苛つきます。

Wikipediaよりヨーゼフ・カール・シュティーラーによる肖像画(1820年)

 

 

サイレント・エピデミックが発生

 

vivanon_sentence国際ロマンス詐欺について私が興味を抱いているのは「またもサイレント・エピデミックが発生しつつあるかもしれない」って点です。

ロマンスを求める軍人キム・カストロ(Kim Castro)ちゃんに注意—詐欺が流行り[下]」の段階ではデータをしっかり見ていなかったのですが、改めて見たところ、私の見込み通り、「ロマンス詐欺の被害者は男女あまり変わらず。しかし、“被害者は女性”と決めつけている報道が見られる」と言えそうです。

ただし、これは国によって違う可能性があるので(犯人グループがナイジェリアにいるナイジェリア人の場合、国によって対象の性別を変えるとは思えないですが)、もう少し調べた方がよさそう。

被害届を出すのは女性の方が多いため、逮捕されるケースは「女をターゲットにした容疑者たち」で、容疑内容としては「女性が被害者」というものが大半を占めるのですが、現実の被害としてはそうなっていない可能性が高い。

だから国によっては公的機関が「被害者の性別は関係がない」と強調しています。そうしないと、自分のこととは思わない人たちが出てきてしまいます。

 

 

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