ヤリマンはお嬢様率が高い—「東京ヤリマン五輪!」より[下]-(松沢呉一)
「お嬢様がアバズレる理由をお嬢様ヤリマンが解説—「東京ヤリマン五輪!」より[上]ンコの好き嫌いを語る女たちと語れない女たち—女の顔フェチ[上]」の前振りから続いてます。
ヤリマンの知恵
私が聞くのが好きなヤリマンの話は、長らくヤリマン活動を続けている人たちのさまざまな知恵です。その知恵については「セックスをし続けるために—ヤリマンからの電話[2]」にも書いてますが、そこに書いた「お疲れさま」の知恵を「東京ヤリマン五輪!」で有奈めぐみさんに教えたら、彼女も似たようなことを言ってました。
「セックスして、これ一回でいいなと思うと、連絡先も教えずに、終わったらすぐに帰る」
セックスのあと、まったりした時間を置くとファンタジーが生じます。そのファンタジーが執着につながって面倒が起きやすくなります。対してヤリマンは次がありますから、一人一人にファンタジーなんて抱かない。
冷たいようにも感じましょうが、「どこを見るか」です。ヤリマン、ヤリチンは「次がある」と考えられるため、つまらなくても、それなりに楽しむ。いいもんばっかり食っていると、たまには牛丼や定職屋のサンマ定食もおいしい、みたいな。何度も行く店ではないと割り切りつつ、その時間は充実させ、終わったらすぐさま次に向かいます。
知人に老舗蕎麦屋(先頃閉店しましたが)の息子がいて、さすがに蕎麦については詳しいのですが、彼は「市販の乾麺もおいしい」とさらりと言います。薄い自称「蕎麦通」ではこれは言えないでしょう。ヤリマンもそういうもんであり、つまらないセックスも楽しむ。とくにポジティブ・ヤリマンにその傾向が強い。
経験の少ない人とはそもそもセックスすることを避けるでしょうが、経験の少ない人はその一回の重みが大きくなるため、執着しやすく、このズレが悲劇を生むことがあります。ここをうまいことコントロールしておかないと刺されて、長い間のヤリマン活動ができなくなってしまいます。
また、有奈さんは彼氏以外とは絶対にコンドームをするのが鉄則です。これもヤリマンの知恵です。彼女が長きにわたってヤリマンを続けられてきたのはこの鉄則を守ってきたからです。
もしくは避妊はピルなどを使用して生でやり、頻繁に検査をしていたのも私のダチにはいます。病気をやったり、妊娠したりするとセックスが楽しめなくなってしまいますから。
※このフライヤーには私の名前がありませんが、ゲストの石丸元章が前日になって出られなくなったために、急遽私が出ることに。
ヤリマンはお嬢様率が高い
この日出ていた5人のヤリマンのうち、AV女優の椎木くるみさんはセックスそのものが好きでヤリマンになったポジティブ・ヤリマンです。
彼女はクラブホステスをやっていたのですが、二十歳そこそこだったため、客からかわいがられても、それ以上ではなく、「女の色気が欲しい」とママに言ったら、「セックスしまくれ」とアドバイスされて、ヤリマンに。
もともとオナニーは好きだったため、また、見た目がいいため、その気になったらすぐにヤリマンになれました。男が寄ってこないのではヤリマンになりたくてもなれないですからね。
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