迷惑系インフルエンサー、ユリヤ・プロコロワはロシアに送還されていないよう—ナチズムと並ぶラシズム(Russia+fascism)に注目-(松沢呉一)
ユリヤ・プロコロワは今もドイツにいる
「ドイツはロシア支持のインフルエンサーを追放—現在ドイツでは不法滞在というだけではロシアに強制送還しないのだが」で取り上げたユリヤ・プロコロワの情報が的確にまとめられたRUSCISTのページを見つけました。
見ていただけるとおわかりになろうかと思いますが、RUSCISTの記述は相当に慎重であり、正確であることが期待できます。ロシアの独立系メディアや「The Sun」などが報じていた空港の写真は彼女ではないと検察庁や連邦警察が証言しているとしています。この元になっているのはFacebook/Meta関連のファクトチェックのページです。11月25日現在彼女はまだドイツにいるのだと。
考えようによってはその方がいいでしょう。今ロシアに戻ると、アホなロシア人たちに持て囃されます。だったらドイツでたんまり制裁した方がいい。最長懲役3年もあり得るとどっかに出てました。さすがに3年もすれば戦争は終わっているでしょう。
願わくば、民衆の蜂起でロシアに民主政権が誕生し、プーチンもショイグもプリゴジンもペスコフもラブロフもカディロフも処刑され、ロシアに帰ったユリヤ・プロコロワはまた逮捕されればいい。
ともあれ、ドイツにいるってことはまだまだ彼女についての報道は続きそうですので、RUSCISTほかを参照にして、もう少し補足しておきます。
✳︎RUSCISTの彼女のページ。今まで気づいていなかったのですが、RUSCISTはものすごいサイト。ロシア主義を支える人々や組織をまとめたもの。政権の中枢にいる人々から、ユリヤ・プロコロワのような小物までを網羅(しようとしている)。
ユリヤ・プロコロワまたはユリヤ・チェルニスホワの背景
ユリヤ・プロコロワは1992年2月18日生まれ。プロコロワは2015年に結婚した夫の姓。翌年離婚していますが、届けを出していなかった可能性があり(後述)、そのままの姓を名乗っていたようです。
離婚後はロシアのサマラに住んでいましたが、2020年2月16日、ドイツに。
ドイツでは報道のガイドラインとして、犯罪者の家族・親族・同居人・友人のプライバシーは守られて、フルネームは出さないということだろうと思いますが、独ランツフートで一緒に住んでいた男はKevin、またはKevin Lとしか報じられておらず。
しかし、これもRUSCISTには出ていて、フルネームはKevin’ Dagwah Lauです。ケヴィン・ラウはドイツ国籍の台湾人。実業家であるマルコ・アルティンガーという人物の下で働いており、マルコ・アルティンガー自身は政治家ではないのですが、ランツフートの自由民主党(FDP)支部に関与。
しかし、ケヴィン・ラウとユリヤ・プロコロワはAfDのような右派政党や水平思考のようなワクチン反対運動と関わりがあります。
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