ドイツはロシア支持のインフルエンサーを追放—現在ドイツでは不法滞在というだけではロシアに強制送還しないのだが-(松沢呉一)
注:彼女はまだドイツにいるようです。この点を訂正しつつ、さらに補足をして、この続編を出しておきました。
ロシア人のインフルエンサーをドイツが国外退去処分に
YouTubeが「これを観てはどうでしょう」とプッシュしてきた動画です。
11月21日付の英「The Sun」の報道です。ドイツでウクライナ人をおちょくるような行動をしていたロシア人のインフルエンサーが国外退去になったとの内容。
どういう資格でドイツに来ていたのかにもよりましょうが、ただウクライナ人をおちょくっただけで国外退去にはできないのではなかろうか。そこまでは説明されておらず、どういう根拠で国外退去になったのかが気になって、ドイツの報道を確認してみました。
追記:空港の人物はユリヤ・プロコロワではなく、彼女は今もドイツにいるとの説がでています。これについては改めてまとめます(→)
ロシアの侵略を支持し、ウクライナ人に嫌がらせを繰り返したロシア人
彼女の行動が問題になったのは9月のことでした(もっと早くからネット上では大問題になっていましたが、マスメディアが取り上げた最初の記事は9月初頭だと思われます)。30歳のロシア人、ユリヤ・プロコロワ(ドイツ語表記でYulia Sergeevna Prokhorova)は2020年からドイツに住み、現在はバイエルン州ランツフートのアパートにドイツ人の男と同居しています。
昨年3月にTelegramのアカウントを取得していますが、1年ほどはほとんど活動はしていませんでした。ロシアの侵略が始まってから、猛然とロシア支持、侵略支持を打ち出し、ゼレンスキー大統領を筆頭としたウクライナ人を揶揄し、ウクライナに対する爆撃を賞賛して、10万人を超えるフォロワーを得ます。ロシア語で書いているため、ほとんどはロシア人でしょう。
インフルエンサーがロシアを支持したというより、ロシア支持をしたことによってインフルエンサーになったのです。
その内容は酷くて、ウクライナ人が抗議する場でロシア国旗を出したのはまだしもで、街ゆくウクライナ人のあとをつけて嫌がらせをし、「ウクライナ人の避難所は臭い」といった根拠なきヘイトスピーチを繰り返し、なおかつ彼女は国外にいるロシア人はこのような行動をすべきであると扇動もしました。
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