松沢呉一のビバノン・ライフ

松本人志の老後は「松本劇場」支配人—終わった人々[前編]-(松沢呉一)

 

私の近況は「驚きの強力洗剤効果」くらいしかない

 

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長電話があまり好きではないのですが、先週末、久々に軽く1時間以上、モダンフリークスの福田君と電話で話しました。彼と話すのは今年初かな。積もる話が次々と口から溢れ出し…なんてことはまったくない。

近況と言っても私の場合は変わり映えせず、最近もっとも驚いたのは、タイル清掃用に初めて使用した強力な洗剤の効果です。ふだん私は素手に裸足で清掃していますが、この洗剤は肌につくだけで痛い。どこでも痛いわけではないのですが、手や足には目に見えない傷があって、そこに滲みると痛むようで、数時間後まで痛さが続きます。

地下水にはマンガンが多く含まれていて、井戸水を使用している銭湯はタイルや目地の黒ずみになります。マンガンと化学反応を起こすのだと思うのですが、その洗剤を黒ずみにかけると煙が出るんですぜ。あの煙を吸うのも危険そうなので、マスク、手袋、長靴が必須です。

さすがによく汚れが落ちるのですが、一回使うだけで古い目地が痛んでボロボロ落ちてくるので、頻繁には使えない。黒い砂のようなものなので、目地剤ではなく、間に溜まったマンガンかもしれないですが、どちらにしても、そのカスみたいなもんを拾い集めるのがまた大変です。

これが今年一番の私の近況。こんな話をしてもしょうがないので (ここには書いてしまいましたが)、もっぱら「話題のネタ」についての長電話です。松本人志についてだったり、吉本興業のさまざまだったり、「セクシー田中さん」についてだったり。

松本人志については、福田君も私も「もう飽きた」。「芸人としては天才、しかし、人間としてはクズ」とはっきりして、裁判が始まったところで、この評価が覆ることはなく、むしろ強化されそうです。

週刊文春」の今週号で訴状が取り上げられ、「松本人志に勝ち目なし」「メンツだけの裁判」との当初からの見通しを裏付ける内容だったようですが、なんかもう読む気にもならないです。

 

 

松本人志経営の「しくじりビル」

 

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私はこう言いました。

「松本人志がYouTubeを始めても、オレは観ないな。もう笑えない。YouTubeを始めたら、最初は人が集まっても、持続はできないんじゃないか」

すでに注目度は松本人志より、次々と爆弾を投下し、吉本興業やテレビ局、タレントたちを震撼とさせている(元)プラス・マイナス岩橋良昌の方が高いじゃろ。

「だったら、松本人志はハワイにコンドミニアムを持っているらしいので、ハワイに移住して、ホノルルに松本劇場を出せばいい」

このところ考えていたことを福田君に初公開。

松本劇場は。お笑い専門の劇場です。金は唸るほどあるんだから、ビルを買うなり、建てるなりして、地下を松本劇場にして、1階はレストラン、2階から上はホテル。

日本から芸人を呼んで、観光客とハワイ在住の日本人や日系人が対象です。今も松本人志を支持する人たちがいっぱいいますから、毎回、出し物を紹介するためにステージに出る松本人志を見られるだけでも日本から100人くらいは呼べるんじゃないですかね。

 

 

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