松沢呉一のビバノン・ライフ

終わった叶井俊太郎、終わらないまふまふとみけねこ—終わった人々[中編]-(松沢呉一)

松本人志の老後は「松本劇場」支配人—終わった人々[前編]」の続きです。

 

 

叶井俊太郎の訃報は交通事故の死と一緒

 

vivanon_sentenceモダンフリークスの福田君と電話で話していて、松本人志や吉本興業については、けっこうな時間話してましたが、伊東純也については一瞬触れただけ。あれはまだわからんし、両者の刑事告訴で、遠からずはっきりすることがあるので、今からどっちかに加担する必要はない。加担すると。後で訂正しなければならなくなって面倒なので、黙って眺めているのが賢明かと思います。

もう少し身近な話題として(福田君にとっては)、私が全然知らないことを教えられました。

「松沢さんはかないさんを知ってますか?」

「金の金井? 兼ねるの兼井?」

「いや、叶うの叶井です。叶井俊太郎さん」

「知らん」

「亡くなったんですよ」

「知らん」

福田君は、「面識があるか?」という意味で「知っているか」と聞いたようでもありましたが、私は面識もなければ、存在も知りませんでした。

福田君を含め、私の周りには交流のある人が多かったようですが、私にとっては、福島で72歳の女がアクセルとブレーキを踏み間違えて、轢かれて亡くなった大学生と同じ意味しかありません。むしろ若い分、大学生の方が痛ましい。

「叶井って人はいくつだったの?」

「50代半ばじゃないですかね」

後で検索したら、56歳でした。

「だったら、もういいじゃろ」

「そうですね」

この前日くらいに亡くなったようですが、面識のある福田君としても50代で納得してました。

✳︎2024年2月17日付「映画.com」 どういう人かわかればそれ相応の感慨が生じるってものです。

 

 

まふまふとみけねこの壮絶スキャンダル

 

vivanon_sentenceこれに対して、私が振った話で、彼がまるで知らなかった話もありました。まふまふ(uni_mafumafu)とみけねこ(みけねこch)の泥沼バトルです。

まふまふの名前はぼんやり知っていたようですが、どこの誰かまでは知らず、みけねこについてはまったく知らなかったので、1から説明しました。

この2人はまだ終わってないですが、終わってないことに意味がありそうです。

以下は、知っている人にとっては今さらの内容なので、飛ばしてください。

まふまふはいわゆる「歌い手」(YouTubeなど投稿サイトで「歌ってみた」などで活躍する人)で、これが代表曲。

 

 

1億4千万再生回数。チャンネル登録者数は350万。

2021年に紅白歌合戦に出たので、それで知っている人も多いでしょう。シニカルな内容が続き、しかし、最後は生きることの肯定で終わる王道の展開です。そこが青臭くて、痛くもありますが、「命に嫌われている」というフレーズはうまいです。

この曲は、カンザキイオリによるボカロ曲で、国外を含めて、多数のカバーが出ておりますが、まふまふヴァージョンが抜きん出ています。彼の高音は他に類がない。

 

 

next_vivanon

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