プロのボッタクリと素人のボッタクリ、どっちがマシか—日本と韓国のボッタクリ比較-(松沢呉一)
「文化盗用とパクリ」シリーズに入れ込もうと思ったのですが、パクリから離れるので、独立させました。
韓国のボッタクリを嫌って日本に旅行してボッタくられる韓国人
前に韓国のボッタクリを取り上げました。あれを書いた時にはまだ韓国のボッタクリを十分に理解してませんでした。
「ぼったくりの島」済州島だけでなく、韓国の東北部に位置し、風光明媚な江原道など、他の観光地でもボッタクリはよくあって、韓国語でボッタクリの意味の「バガジ(바가지)」、あるいは「バガジ料金(버가지요금)」で検索すると、多数の例が出てきます。
ただし、韓国の「バガジ」は「観光地価格」や「イベント価格」のようなものを指していることも多くて、フェスの類に出る屋台もボッタクリと叩かれてます。イベントの出店費はバカ高いことがあるので、やむを得ないこともあると思いますけどね。
問題はそれ以上のボッタクリも多いことで、韓国人は嫌気が差して、国内旅行を避けて日本に来るとも言われています。しかし、日本でボッタくられる韓国人もいることが報じられています。
とくに今年の1月末から2月にかけて、「韓国人観光客も被害に遭っていた歌舞伎町のボッタクリ居酒屋が摘発された」という記事が多数出てました。
歌舞伎町で客引きについて行くとは大胆ですが、ろくすっぽ予習をしていない観光客はわからんですし、旅先では気が緩みますわね。私は何も関係ないですが、少し申し訳ない気持ちになります。
✳︎2022年10月4日付「エコノミックビュー」 一昨年の記事ですが、韓国人がぼったくられる国内旅行を避けて、大挙して日本に旅行するようになったとする内容。
歌舞伎町のボッタクリ居酒屋の経営者である中国人が逮捕されたことを韓国経由で知った
私はこの件に気づいていなかったので、改めて日本の報道を探しました。
客引きは「鳥貴族」の系列店であると騙り、「鳥貴族は満員だ」として、「とりみち」「とりいち」「とりきち」といった店鋪名の店に連れていく手口です(店舗名は「とり」を残して、変えていくらしい)。
1月末に客引き15人が逮捕され、さらに2月に入って、経営者2名が偽計業務妨害容疑で逮捕されています。「鳥貴族」を騙ったことの容疑であり、ボッタクリ自体で詐欺の適用は難しいのです。
経営者2人は中国人でした。経営者は表に出て来ず、雇われ日本人が店長をやっていて、捕まるのは店長止まりのはずだったのが、誰かゲロったようです。
経営者は中国マフィアのメンバーと見られています。しばらく鳴りを潜めていた中国マフィアですが、昨今はこんな形で暗躍してますか。20年前に比べると、中国経済圏は着々と拡大しているので、それに伴って、他地域でも中国マフィアが悪どいことをしていそうです。これは勝手な想像ではなく、中国マフィアは、世界各国のチャイナタウンのような中国人コミュニティを拠点に勢力を拡大しています。
✳︎2024年1月31日付「朝鮮日報」
警視庁の東京ぼったくりマップ
この流れで警視庁のサイトを見ていたら、各国語で、盛り場での客引きに注意を喚起を呼びかけてます。
以下は韓国語版。
出会い系で知り合った相手と会うことになり、「私の知っている店に行こう」と言われ、着いた店でボッタくられる典型パターン。観光客が出会い系を使うことはあまりないでしょうけど、もともと日本人向けの内容ですし、観光客に限らない外国人向けの呼びかけです。
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