寿司は韓国起源と主張する大学教授と韓国メディアの責任—文化盗用とパクリ[22]-(松沢呉一)
「早い夏休みに聴いた「弥助やないかい」と「ヤリマンのテーマ」—文化盗用とパクリ[21]」の続きです。このシリーズはあまりつながりを考えずに先々まで書いてあったのですが、夏休みが長かったこともあって、途中でうやむやになってしまいました。低劣な韓国起源説には韓国の悪い点がよく出ていて、この後書く予定のテーマの前提としてこの回は出しておくことにしました。
「寿司は韓国起源」と信じている韓国人は一部だが、提唱しているのは大学教授である点は見逃せない
ここまで書いてきたお菓子のパクリのうち、かっぱえびせんをパクったセウカンのことは知ってましたが、あとはだいたい韓国人YouTuberが取り上げているのを観て知りました。
韓国人でも、現実を知れば韓国のメーカーに失望したり、腹を立てたりするのがいるってもんです。その感覚は私と同じ。彼らはコイサンズ社のチーズケーキや不二家のペコちゃんを見れば「パクリだ」と思うはず。国は関係なし。
このテーマは、「日本対韓国」という構図にならざるを得ないところもあるにせよ、パクリを容認する人(企業)と、パクリを不快に感じる人(企業)との対立であり、私は後者に属する韓国人たちに大いに教わりました。
では、続いて、別分野についても、韓国人YouTuber教えていただきましょう。
さんぷんちゃんの2021年の動画です。
かっぱえびせんをただパクったセウカンについて、発売元の農心は自社のサイトでこう言ってます。
製品開発のために数十台の原料トラックが投入され、数え切れないほどの試行錯誤の末に最高のエビ味が誕生しました。
パクるだけでもずいぶん苦労したんですね。韓国のメーカーは平気でこういう嘘を言います。パクることにも、嘘をつくことにも、ネズミの頭を混入させることにも心が痛まない。
動画の最後に出てくる「韓国起源説」はぼんやりとは認識してましたが、寿司までがその対象になっているのか。しかし、「すべての韓国人は日本のものだと思っている」というさんぷんちゃんの言葉は言い過ぎとして、韓国では「寿司は韓国起源」なんて妄言はほとんど信じられていないのは事実でしょう。
この韓国起源説に言及する場合は「誰が主張しているか」「どの程度信じられているのか」を確認した方がよく、愛国心が肥大した一人の狂人が言っているだけで、韓国でも相手にされていないのに、あたかも韓国人の総意であるかのように受け取るのは適切ではありません。
韓国起源説は日本の嫌韓派による捏造?
一方、韓国の一部では「韓国起源説は日本の嫌韓派による捏造」論が主張されています。これはとうてい成立しません。大袈裟にされている例があるにしても、広く信じられている韓国起源説の例はいくつもありますし、広くは浸透していないまでも、大学などの教育機関・研究機関の研究者、業界団体やその代表者、メディアなど、社会的責任を負う人々や団体が主張していることも多いのです。
となると、韓国という国を主語にして、「韓国は愚劣な韓国起源説を主張し続けている」と表現されてもやむを得ない。
では、「寿司は韓国起源」はどうなんでしょう。検索したところ、以下の記事が見つかりました。
2012年12月1日付「HERALD」
日本の「ポストセブン」が「韓国が寿司の起源を主張する」とした歪曲報道をしたことで、両国の対立を助長したという内容です。そんな話は韓国にはなく、「日本の嫌韓派による捏造」論だと言いたいようです。
この通りだとすると悪質です。では、実際のところを確認してみましょう。
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