ヤマガタ野球通信

鶴岡高専が選手にピッチャー挑戦を薦める理由

■マウンドに上った5人の投手たちが奮闘

「投げられそうな選手には、1イニングでもいいから投げられようにピッチャーをやってもらうんです。そうすればより多くの選手の出場機会も増えるし、選手も〝自分は期待されているのかな〟と感じてくれると思って」

高校野球・秋季山形県大会3回戦で、夏の準優勝校である山形中央に3対7で敗れた鶴岡高専の投手起用に目が行った。9回を戦い、8イニングのマウンドに上った投手は5人。大エースだった武田陸玖が抜け、戦力的には発展途上の山形中央の新チームだが、それでも選手個々の能力、地力では鶴岡高専を上回る。そんな格上のチームに対して、鶴岡高専はめまぐるしい投手交代で山形中央打線の目先を変えて、投手陣は失点7自責点5で試合をまとめた。打線にもときおり長打が飛び出し、一時は2点差まで追いすがった。その必死さに胸を打たれた。

4回表、鶴岡高専は4番・渡部秀悟の内野安打で二走の伊藤蓮がホームイン。

試合後、鶴岡高専の橋間一彦監督に投手起用のプランを確認しにいった。「目先を変える」という意図は間違ってはいなかった。ただ、予想外の話も加わった。

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