ヤマガタ野球通信

野手層厚い日大山形の課題は投手陣<秋季東北大会・県勢戦力分析02>

10月16日(月)、秋田県にてセンバツ出場に直結する高校野球・秋季東北大会が開幕する。山形県からは先月の秋季山形県大会で上位入賞した鶴岡東、日大山形、羽黒の3校が出場。大会を前に3校の戦力を分析してみよう。第2回は秋季山形県大会準優勝で第2代表の日大山形。初戦は聖光学院(福島第1代表)が相手だ。

■夏の経験者を脅かす新戦力

秋季山形県大会での日大山形は「打高投低」という言葉がぴったりだった。
旧チームからのレギュラーが多くの打線は、県大会のチーム打率.400。優勝した鶴岡東の.380を上回った。本来ならば3番・セカンドを担うはずだった笹大夏を故障で欠いてこの結果。夏までは粗さを感じた4番・遠藤海星は打率.611。もとより光っていた長打力に加え、しぶとさ、巧さも身につけている。

長打力に加え、しぶとさも身につけてきた遠藤。東北屈指の強打者に成長しつつある。

夏の経験者も多く残るが、県大会では新戦力の活躍が目立った。日替わりでクリーンナップを担った右の渡辺拓海、左の佐竹光太、杉山大地はそれぞれ持ち味を発揮。渡辺は.583の高打率に本塁打1、佐竹も打率.571と起用に応えた。打率は.222と低調なものの、快足にスピードのあるスライディング、守備でのジャンプ力など抜群の身体能力を見せつけた杉山も今後が楽しみである。
彼らに器用な髙橋直叶、県大会では不調だった沼澤塁人、清野隆之輔らが上手く絡めば穴のない打線となる。守りは旧チーム時代から守備に課題があった沼澤や本来は捕手である渡辺拓海が守る一塁が少々不安だが、捕手・髙橋、遊撃・那須渉太を中心に安定感はある。県大会決勝で鶴岡東・梅澤一輝に抑えられたように、初見の投手に対応しきれなかった点には不安は残るものの、野手層の厚さは東北でも上位だろう。

■期待したい投手陣の2年生

日大山形の課題はとにもかくにも投手だ。エースとして期待された1年生右腕・本田聖が県大会では防御率11.05と散々だった。非公式では140キロ台前半をマークしたと聞くが県大会での最速は138キロ。あまりキレも感じず、コントロールも悪くはないが際だって良いわけではななかった。力が分散しているようなフォームにも改善点を感じる。荒木準也監督は公式戦での初被本塁打を背景にした精神面の弱さを指摘していたが、県大会後の約3週間で立て直せるかは未知数だ。
この状況の中、むしろ期待したいのは2年生である。

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