羽黒打線は一線級の投手も打てるか?<秋季東北大会・県勢戦力分析03>
10月16日(月)、秋田県にてセンバツ出場に直結する高校野球・秋季東北大会が開幕する。山形県からは先月の秋季山形県大会で上位入賞した鶴岡東、日大山形、羽黒の3校が出場。大会を前に3校の戦力を分析してみよう。第3回は秋季山形県大会の3位で第3代表の羽黒。初戦は青森山田(青森第1代表)が相手となる。
■投手を含めた守備力向上がカギ
チーム・選手ともにポテンシャルの高さは感じる。しかし、あまりに粗削り——。
それが秋季県大会での羽黒の印象だった。特に顕著なのは投手陣である。
絶対的エースはいない。あえて言うなら主に先発を務める1年生右腕の曽我瑠仁だろうか。大向誠監督は「投手の登板順に決まりはない」と語ったが、県大会では初戦の山形学院戦、準々決勝、3位決定戦と重要な試合は全て曽我が先発している。「度胸の良さを買っている」(大向監督)という曽我は、130キロ台前半のストレートも変化球も驚くようなボールではないが、立ち上がりを手堅くまとめ。3ボールからの粘りも光るなど1年生ながら安定感に長けている。ただ、起用法を見るに課題はスタミナだろう。1年生ゆえに責めるべき点ではなく、むしろ引っ張って捕まらないうちに80球前後を目安とする早めの継投が功を奏している印象だった。

県大会では1年生ながら先発の役目をキッチリ果たした曽我。
課題はその曽我の後である。主にリリーフを担ったのは背番号1の右腕・前野大雅、速球派の遠藤康太、まとまりのある本間丈斗。前野は変化球主体のクセのある投球、遠藤は力のある速球、本間は総合力とそれぞれ特長はある。ただ、3人とも帯に短し襷に長し。前野は変化球を活かすためのストレートが弱い。逆に遠藤は武器になる変化球に欠ける。本間は現状ではタイプ的に制球がポイントになるが安定感も粘りも足りない。県大会から約3週間で3人のうち誰かが課題を克服していれば面白いのだが……。ちなみに羽黒は県大会のベンチ外メンバーにも力のある投手がいるとも耳にした。曽我ともう1人、安定感のある投手がいれば、投打に高い力を持つ優勝候補・青森山田との初戦が面白くなる。
ただ、守りの不安点はもう一つある。
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