新エースの完投ピッチングで日大山形が快勝<秋季東北大会・県勢レポート>
10月16日(月)、秋田県にてセンバツ出場に直結する高校野球・秋季東北大会が開幕。山形第2代表の日大山形は17日(火)の2回戦で聖光学院(福島第1代表)と対戦した。
■投手陣を支えてきた右腕が主役に
1年前の秋季山形県大会、当時、1年生だった日大山形の右腕・佐藤大清は、先発投手が打たれ試合展開が苦しくなるたびマウンドに上がっていた。先輩投手の不調を毎試合のようにカバーする姿は健気ですらあった。今季の秋季県大会も同様で、先発が崩れるたびにマウンドに上り、試合を引き締め、投手陣の崩壊を食い止める役割を果たしていた。そのストレートは、どの投手よりも走っていた。

リリーフ中心の登板で好投し、先発の座をつかんだ佐藤大清。
投手陣に課題のある日大山形において、県大会の佐藤大清は、唯一、安定したパフォーマンスを発揮する頼れるピッチャーになっていた。そしてついに、秋季東北大会の初戦で先発のマウンドに上がる。その結果は9回3失点で完投。チームは7対3で勝利した。13安打は浴びたが粘り強く投げ、味方が序盤に挙げた得点を守り切る満点に近い回答。投手陣が一番の課題だった日大山形にとって、佐藤大清の好投は最大の勝因だろう。
もともと佐藤はテンポと制球の良い、まとまりのある投手。それ故に試合を落ち着かせるには最適なタイプだった。一方で相手をねじ伏せるような力強さには欠けていた。春から夏にかけては調子が上がらず、甲子園でも打ち込まれた。
ところが、秋季県大会でマウンドに上がった佐藤大清のボールは、それまでの印象を覆す威力を発揮していた。バックネット裏から見ても、ストレートはうなりを上げるように走り、球速も最速135キロを記録。それと似た軌道から鋭く曲がるスライダーもキレている。「まとまりの良い投手」に力強さが加わり始めていた。その理由はフォーム改造にあった。
(残り 1322文字/全文: 2160文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ