鶴岡東、8回裏〝夏の過ち〟を繰り返さなかった勝利<秋季東北大会・県勢レポート>
10月16日(月)、秋田県にてセンバツ出場に直結する高校野球・秋季東北大会が開幕。山形第1代表の鶴岡東は18日(水)の2回戦で弘前学院聖愛(青森第3代表)と対戦した。
■同じ失敗を繰り返さなかった8回裏
「うんうんうんうん」とマウンドに立つ鶴岡東の左腕エース・櫻井椿稀が何度もベンチに頷く。
捕手の億田知輝もベンチを見つめ「わかっている」というように顔を引き締める。
8回裏、ゲームは5対5の同点で弘前学院聖愛の攻撃。鶴岡東が1死を取ったところで迎える打者は1年生ながら4番を務める原田琉生。背番号こそ16だが、弘前学院聖愛で最も力強いスイングから鋭い打球を放つバッター。もちろん一発もある。この試合、鶴岡東は先発した右腕・岩下剛大が不運もあって失点を重ね、3回裏、1対3となったところで鶴岡東・佐藤俊監督は、この日、4番としてレフトを守っていた櫻井をマウンドに送った。その際の打者も原田であった。つまりは、鶴岡東ベンチが最も警戒していた打者といえる。

調子は悪くなかったが、不運もあり3回途中で降板した鶴岡東の先発・岩下。
似た場面を夏の山形大会でも見ていた。鶴岡東が山形中央に敗れた準々決勝。鶴岡東1点リードで迎えた8回裏2死走者無し。打席にはU-18日本代表にも選ばれた〝二刀流〟の強打者・武田陸玖が入った。1点リードしていた鶴岡東は武田の打力を考えれば敬遠という選択もアリだろう。だが、鶴岡東バッテリーが選んだのは勝負。その結果、外角の変化球を武田に捉えられ、左中間に飛びこむ同点本塁打を被弾。結局、試合は鶴岡東の9回サヨナラ負けとなった。
この場面、気になったのは敬遠か勝負か、というよりもチーム、あるいはバッテリーとベンチに指示や方針の明確な確認が見られず、なんとなく試合が進んでいた、すなわち勝負に入っていたように見えた点だった。実はこの山形中央戦の鶴岡東には、同じような印象を受けた中盤のピンチもあった。
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