2つの「誤算」も響いた鶴岡東の敗戦。センバツは絶望的に<秋季東北大会・県勢レポート>
10月16日(月)、秋田県にてセンバツ出場に直結する高校野球・秋季東北大会が開幕。2回戦を突破した山形第1代表の鶴岡東は19日(木)の準々決勝で青森山田(青森第1代表)と対戦した。
■鶴岡東を襲った2つの誤算
140キロ台の速球を持つ2枚の投手と、パワフルな打線。青森山田は今大会の優勝候補である。一方、鶴岡東もエース左腕・櫻井椿稀を筆頭とした投手陣の力は、東北でもトップクラスという評価を受けている。正直、準々決勝で対戦するのはもったいない好カードだ。
戦力だけを比較すれば、投手力は五分。打線では青森山田がやや上回るだろうか。となると、鶴岡東が勝利するにはロースコアの展開が理想。投手陣の力投は必須である。
しかし、試合前の段階で鶴岡東にはそんな予想に影響を与える2つの「誤算」が起きていた。
1つ目は日程である。本来、鶴岡東も青森山田も初戦となる2回戦を17日に行い、1日空けて準々決勝に臨む予定だった。ところが鶴岡東が試合を行う横手会場は17日が雨天順延となり、18日にスライド。結果的に1日空いた青森山田に対して、鶴岡東は連戦となってしまった。
2つ目は2回戦の弘前学院聖愛戦でエース左腕・櫻井椿稀が、おそらく想像以上に球数を要してしまい、かつ延長10回のピッチングで軸足となる左足のふくらはぎを攣ってしまったことである。鶴岡東の2回戦の先発は右腕・岩下剛大だったが、3点を失った3回裏に櫻井にスイッチ。連戦となる準々決勝を考えれば、櫻井の投入はもう少し後ろにしたかったところだろう。
さらに櫻井は足を攣った影響か、明らかに本調子ではなかった。試合後に「ボール自体は走っていたが、下半身のバランスを上手くとれなかった」と本人が語るように、県大会では内外角にビシバシと決めていた制球が、櫻井にしては乱れ気味だった。

前日の疲労に足を攣った影響か、いつものような制球力に欠いた櫻井。
2つの誤算の影響もあって、ロースコアの接戦を期待されたゲームは1対5で鶴岡東の敗戦となった。先発となった櫻井は、5回を投げ失点5自責点4。ただ、不運な当たりや味方エラーの影響もあり最大の敗因と責める内容ではない。リリーフした梅澤一輝も3回を無失点と投手陣は最低限の仕事は果たしたといえる。では最も大きな敗因は何か?
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