ヤマガタ野球通信

タグマ! 野球ライター選抜展望

春の選抜高校野球開幕を控え、タグマ!でサイト運営を行う各地区の高校野球ライターにそれぞれ地元代表の展望を語ってもらいました。

参加者:
東北/「ヤマガタ野球通信」田澤健一郎
北信越/「nines」小池剛
東海/「愛知野球通信Plus」コウ
近畿/「かるたーの大阪野球マガジン」かるたー

◆【東海】2005年以来のセンバツ優勝を狙う愛工大名電の豪華な投手陣

東海地区は豊川(愛知)が優勝、神宮大会でも1勝するなど力は持っていると思います。中心打者のモイセエフ・ニキータは全国的な知名度も上がってきました。ただ、神宮大会でも結果を残したので相手も勝負を避けるケースが出てくるかもしれません。となると、その後ろを打つ打者、秋だと中村丈らがカギになります。
投手は愛知県大会から東海大会まで大事な試合をほぼ1人で投げぬいた鈴木爽太の復調具合次第。神宮大会では故障を抱え、打者1人にしか投げられませんでした。新2年生にも中西浩平、平野将馬とともに昨秋の段階で130キロ台半ばをマークしていた成長株もおり、選抜では戦力になりそうです。ただ、それにしても豊川投手陣は鈴木の状態次第で選抜での戦い方が変わってくると思います。

準優勝は同じ愛知の愛工大名電。個人的には全国トップクラスの選手層で、戦力的には1位校でもおかしくない印象です。投手は大泉塁翔がエースとして君臨。140キロを超えるまっすぐが武器の左腕で、変化球でもある程度カウントを取れる。全国の強豪相手にも十分、通用すると思います。東海大会では打たれる場面もありましたが、他に頼れる投手がいない中、ちょっと登板過多になっていました。万全の状態で臨む選抜は心配ないでしょう。続く伊東尚輝、古屋龍斗も140キロ台半ばのストレートを投じる力がある投手。ともに秋は状態が良くなかったですが、本来の力を発揮すれば投手陣は分厚い。

打線は1年時から活躍する石見颯真、石島健、宍戸琥一を中心にかなり力がある。県大会でも豊川に快勝していますし、秋の時点では地力は愛工大名電が上と感じました。愛工大名電は甲子園に行くと相手を強く見積もってしまいがちな印象を受けるときがあります。自信をもって固くなりがちな初戦さえ突破してしまえば2005年以来の優勝も夢ではないでしょう。

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