▽[今週の殺し屋日記] 柳下毅一郎の6/7~16 『オン・ザ・ロード』・『ミステリガール』・『川勝仕事展』、『アフターアース』、『ニコラス・レイの映画の授業』
アスミック・エース試写室でウォルター・サレス監督『オン・ザ・ロード』試写。
昨年のカンヌに出品されて以来見たくてたまらなかった一本はサレスのビート愛があふれるそっくりさん大会。
出番は少ないのだがキルスティン・ダンストが良かった。
6/8(土)
『二流小説家 』の著者デヴィッド・ゴードンが来日したので〈ミステリ・マガジン〉でインタビューする。
新作『ミステリガール 』はLAが舞台で、ケネス・アンガーみたいなアングラ魔術映画作家が登場するんで、そこらへんの話を聞いてたら「キムズ・ビデオが……」と延々80年代NYビデオオタク事情の話になって、〈映画秘宝〉でやるようなインタビューになってしまった。
夜、『奇跡のリンゴ』見に行く。オレが言いたいのは、つまり増村監督ならUFO出すだろ!ということだ。
原宿BEAMSで開催中の川勝仕事展に行く。
翻訳以外の最初の単行本である『世界殺人鬼百選』(ぶんか社)も川勝さんの編集なのでしっかり展示してあったよ。諸事情でたぶん復刊はできない本なので、豪華イラストを見たことがない人は読みにいかれるといいんじゃないかと思います。
夜、NHKで尼崎監禁事件のドキュメンタリーを見るなど。
スペースFS汐留で『アフターアース』。これシャマランシャマランと言われるけど、シャマランがどうとかいう問題じゃないのではないか? 原案ウィル・スミスということだが、本当にこのストーリーを考えたんだったら、「黒い中学生」の称号がふさわしいのはウェズ公ではなくウィル・スミスの方だよな~。
設定ノートが全ページスキャンされてkindle direct publishingで売られるレベル。
6/14(金)
原稿を一本入れた勢いで新宿で痛飲。でもよく考えたら別に仕事が終わったわけでもなかった……中華料理屋からはじめて六時間くらい飲みつづけていいかげんダメになったので帰る。
朝10時から赤羽・まるます家に集合して朝飲み。生憎の天気だったがまるます家はいつもあたたかい……。
その後二軒ほどはしごして、上野の三軒目ではほとんどつぶれていた。だが気がつくとまだ間に合う時間のような気がしたので新宿へ移動、ケイズシネマでのニコラス・レイの命日イベント〈ニコラス・レイの映画の授業〉に顔を出す。
青山真治、篠崎誠両監督がレイの授業の録音テープを聴きながらレイについて語るというイベント。
冒頭遅刻して入りこんだのだが、途中で案の定眠りこけ、「遅刻してきたあげく盛大に居眠りをかますダメ学生」の名を恣にしてしまった。そのまま打ち上げに行ったが、当然ながらそこでも寝た。
なんだかんだで十二時間以上断続的に飲みつづけていたような気がする。