『ナポレオンと私』 ここ最近の武田梨奈の作品選択については本当に一言申し上げたい。アクション映画の主役を張れる年齢は限られているのだ。さっさと海外行ってください!
→公式サイトより
『ナポレオンと私』
監督 頃安祐良
脚本 鈴木規子
撮影 谷康生
音楽 今村左悶
主題歌 浦島坂田船
出演 武田梨奈、濱正悟、綾乃彩、岡林佑香、染谷俊之
去る6月、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙が「今、活躍中のアジアのアクション・スター10人」という記事 を出し、そこに女性としてただ一人武田梨奈が選ばれた。ドニー・イェンやマ・ドンソクと並べて評されているのである。ガチのスーパースターなのだ。
その武田梨奈の新作がこれである。
原作は「イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑」という恋愛ゲーム。自分に自信がなくて仕事も恋もいまいちなアラサーOLの前に、変なコスプレをして「俺はナポレオンだ」と名乗る狂人があらわれる……
……これ事務所のせいなのか本人も許容しているのか(絶対そんなことはないと思うが)わからないが、ともかく、ここ最近の武田梨奈の作品選択については本当に一言申し上げたい。悪いけど、「自分に自信がもてないアラサーOL」役を演じられる女優なんて掃いて捨てるほどいるのである。だけど、ハリウッドのアクション映画に出られる女優は日本に他にいないのだ。等身大の女性なんかいつだって演じられる。だけど、アクション映画の主役を張れる年齢は限られているのだ。イケメンヴァンパイアとか相手にしている場合じゃないんだっつーの。さっさと海外行ってください!
Web制作会社で営業アシスタントとして働くアラサーOLの大原春子(武田梨奈)、過去のトラウマのせいで自分に自信がもてず、『ローマの休日』とか『ラブ・アクチュアリー』とか見てまだ見ぬ王子様を夢見る日々である。かつて完璧なプレゼンをこなすところを見た先輩社員岩田(染谷俊之)に憧れているが、何も行動を起こすでもない(パワポ使ったプレゼンごときで……)。どうでもいいんだけど、この「過去のトラウマ」が何度もほのめかされるにもかかわらず、結局なんだったのかあきらかにされないのはどうなのかと思ったな。で、親友伊原ゆか(綾乃彩)にぼやくと、推しとともに二次元の世界に生きているオタクな彼女からは恋愛ゲーム「イケメンヴァンパイア」を勧められ、勝手にスマホにインストールされてしまう。
家に帰るとさっそくはじめ、気がつくと没入してもう深夜。思わず「ああ、誰かわたしを幸せにして!」と叫ぶとちちんぷい、そこには変なコスプレをしたおっさん(濱正悟)が立っているではないか。
「ナポレオン・ボナパルトだ。ナポと呼べ」
ちなみに原作のゲーム、フランス旅行に出かけた主人公が謎の館に入るとそこにはナポレオン、ゴッホ、モーツァルトら世界の偉人(を名乗る似たような顔をした若いイケメン)がおり、実は吸血鬼として生まれ直した偉人たちと恋に落ちるという話らしい……いやどうでもいいんだけど、この人が「ナポレオン」と名乗ってる意味はいったいどこにあるのかと思わざるを得ない。まあこういうのに突っ込んでもしょうがないんで黙ってますけどね。
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