タクシー運転手連続殺人事件-広島マントル嬢インタビュー 3-[ビバノン循環湯 122] (松沢呉一) -4,011文字-
「怖い体験-広島マントル嬢インタビュー 2」の続きです。
下は二十代・上は八十代
—共同で使う控室があるわけじゃないから、女の子の横のつながりはないよね。
「ほとんどない。でも、外を歩いている子を見ると、だいたいわかる。とくに同じレンタルを使っていると、入口ですれ違うから、顔は覚えるし、挨拶するうちに仲良くなるのもたまにいる。暇な時はおばちゃんとダベるから、その時に他の女の子の話を聞いたりもする。仲のいいおばちゃんたち同士もよくダベっているから、おばちゃんに聞くと女の子のことも教えてくれるよ。狭い世界じゃから」
—女の子の年齢は?
「いろいろ。幅広いよ。下は二十代から上は八十代まで」
—えっ! 八十代までいるの?
「おるよ。たまにしか出てこんけど。こういう仕事をしている人たちは若作りだから、五十代、六十代でも、そんな歳には見えんちゃ。でも、八十代の人はどこから見ても八十代に見える(笑)」
—常連さんがついているのかな。
「それもおるし、八十代でもいいって人がおるけ」
—マニア。
「マニアもおるし、歳いった人たちは値段を下げているから、お金のない人は“いくつでもいい”になる。八十代はその人だけじゃけど、五十代、六十代はザラ」
—このみさんは若い方。
「全体で言えば。でも、二十代もいっぱいおるけんね。若くてかわいい子は、お金を作って短期でやめるのが多い。ソープやヘルスだと、写真を出すじゃろ。あれが怖いので、こっちでパッと働いて、すぐにやめる。学生だったら、夏休みだけとかな。中には大阪に行ったり、高知に行ったり、こういう場所を放浪しているのもおるよ」
酔っぱらいと童貞はたいぎい
—客の年齢層は?
「それもいろいろ。でも、うちの客は若いのが多い。だいたい二十代から四十代まで。あんまりおじいちゃんはおらんな」
—時間帯も関係しているか。おじいちゃんは平日の昼が多いかも。
「それもあるし、おじいちゃんは、自分よりちょっと若いのが好きじゃけ。二十代、三十代になると嫌がる。話が合わないし、サービスが悪いって」
—若いのと歳とったのと、どっちが楽?
「人によるけど、さっさと出して終わるのが多いから、若い方がいい。でも、童貞はたいぎい」
—童貞君も多いんだ。
「多いってほどでもないけど、時々おるよ。若いのはたいてい友だちに“筆おろししろ”って連れて来られる。自分では動かし方がわからんから、こっちが上に乗るんだけど、童貞はなかなかイカない。たまにすぐ出すのもいるけど、緊張しすぎて出ないけ」
—勃起しないのもいるでしょ。
「それもおるけど、童貞は勃起しても出ないのが多いんじゃ。上に乗っていくら頑張っても終わらんから、疲れて、“今度はおにいさんが上になってよ”って交替すると、腰の使い方が下手で、また疲れて、“もうええわ、代わって”ってまた上になって(笑)」
—聞いているだけで疲れる。童貞はどこかで筆おろししてから来て欲しい(笑)。
「ホントよ。二十歳くらいの若い子だけじゃなくて、三十以上の童貞もおるよ。そういうのは一人で来るし、自分からは言わんけど、すぐにわかる。どうしていいのかわからなくてオドオドしてる。触っていいのかどうかもわからない。触っても下手だし。“初めて?”って聞くと、“はい”って。酔っぱらいもなかなかイカん。童貞と酔っぱらいは好かんちゃ」
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