松沢呉一のビバノン・ライフ

合資会社百識がやっていたのは登録料ビジネス—ホワイトハンズの何が問題か[10]-(松沢呉一) -2,400文字-

傾聴技能士という資格は存在するのか?—ホワイトハンズの何が問題か[9]」の続きです。

 

 

 

リスナーたちは実在したよう

 

vivanon_sentence坂爪真吾いわく「利用者が全く集まらない」はずなのに、リスナーはどんどん増えて、2005年5月にサイトがオープンした時には3人だけだったのが、2005年12月の段階でリスナーとして紹介されているのは14名になってます(いずれも坂爪真吾を含む。オープン時には弟も含む)。

坂爪真吾以外は門田愛、竹本結花、米原紗絵子、福崎美晴、中吉千鶴、太田昌之、山本尚子、高橋恵子、鈴木礼子、中村節子、赤塩秀、遠藤忠雄、寺島カツ子です。これらの人たちが坂爪真吾の言う「誰かに話を聞いてほしい人」であり、傾聴ビジネス失敗の原因だったってことでしょうか。坂爪真吾がそう書いているだけで、そんなことはないと思いますけどね。

全員がそうなのかどうかわからないですが、この人たちは実在のリスナーだと思われます。

苗字が珍しいし、民生委員という肩書きが書かれているので、赤塩秀さんは特定できました。こちらに出ています。

 

 

 

 

 

赤塩さんはテレビ取材を受けていた「中高年のアイドル」ですが、平成23年にお亡くなりになったようです。連絡をとりたかったのに、残念です。

それ以外の人たちは、変名を使用している人、名前の一部を変えている人もいるかもしれず、1人も実在を確認できませんでした。いろいろ聞きたいことがあるので、ぜひともご連絡をください。

高橋恵子さん、寺島カツ子さん、竹本結花さん、福崎美晴さんの4名が新潟県出身です。代表の坂爪真吾と同じ出身ということで親近感を抱いてリスナーになる人もいるかもしれないですけど、おそらく知人に頼んで登録させたのだろうと推測します。

このうち竹本結花さんは、坂爪真吾、坂爪圭吾の兄弟とともに、サイトがオープンした時点から、スタッフとして紹介されていますから、まず間違いなくもともと知人でしょう。本人が納得していることですから、もともとの知人であることはとくに問題にはならないですが、念のため。

その後も増え続けてますから、坂爪真吾の【「リスナーとして働きたいです」という問い合わせが殺到】という表現も大げさではないかもしれません。

 

 

利用者は会員登録が必要に

 

vivanon_sentence起業してから一年ちょっと経った2006年6月13日、利用規約が変更になります

 

◆◆利用規約◆◆

●「傾聴サービス・零式」のサービスをご利用いただくためには、

会員組織「饒舌倶楽部・零式」に入会していただく必要があります。

「饒舌倶楽部・零式」の会員になるためには、「傾聴サービス・零式」の理念、及び

会員規約に同意していただく必要があります。

 

 

これによって利用者は会員になる必要があり、税込み10,500円の入会金が必要になりました。利用者が少ないため、とれるところからさらにとろうとしたとしか思えない。

 

 

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