松沢呉一のビバノン・ライフ

客がいないのに「リスナー」を募集する怪—ホワイトハンズの何が問題か[6]-(松沢呉一) -2,992文字-

ホワイトハンズの何がサイトでは客が集まっていたように見えるのだが—ホワイトハンズの何が問題か[5]」の続きです。

 

 

 

利用者がまったくいないはずなのに…

 

vivanon_sentenceセックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』で、坂爪真吾は「利用者が全く集まらない」と傾聴サービスを総括しているのに、サイトにはこんな数字も出ています

 

 

「出張傾聴サービス・零式」は、月単位での完全予約制サービスです。

一人一人のお客様に、良質な傾聴サービスを提供するために、

1ヶ月の新規ご予約可能人数は、30名様までとなっております。

2005年12月の新規予約枠は、残り名様です。

予約枠に限りがございますので、ご予約はお早めにどうぞ。

 

 

 

 

新規予約だけで25名いたかのようです。これにリピーターがいるのですから、そこそこの繁盛振りじゃないですか。

つまりはこれもハッタリだと思われます。「いや、この月は忙しかったので予約枠を5人にしただけ」と言い張ればそれまでのことであって、虚偽とまでは言えない。

知人に話を聴いただけなのに、客かのように見せた」のは虚偽と言えるかもしれないですけど、それぞれ単体で見ると、虚偽だとしたって、この程度のことは容認される範囲だろうと思う人たちは多いでしょう。商売にはつきものだと。そうなのです、これはただただ金のための商売であり、そのリメイク版がホワイトハンズなのです。こっちが商売なら、あっちも商売。

しかし、いかに商売だとしても、このハッタリに他のことがからんでくると「どうなんか」と言わざるを得なくなります。

客商売では、客がいっぱい来ているかのように見せるのは常套手段。サクラを雇って列を作ったりもするらしいですね。それがわかったら、インチキ臭い店と思われるでしょうけど、ことさらに非難されるようなことでもない。

では、本当はまったく客がいないのに、繁盛しているように見せかけている店が、実情を隠して、フランチャイズ店の募集を始めたらどうでしょう。フランチャイズ店だって流行るはずがないことをわかっていて、売り上げの一部をもっていくとしたらどうでしょう。

店の場合は多額な資金を投下するので、以下の話とは違いますけど、「商売であることが悪いわけがないが、商売にもルールやモラルは必要だろ」ってことです。

 

 

客がいないのにリスナーを募集

 

vivanon_sentence利用者が全く集まらない」のに、2005年7月からリスナーの募集が始まります。スタートから3ヶ月経ってますから、すでに客が集まらないことがわかっていたはずにもかかわらず。

 

 

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