女子校出身者同士は仲良くなりやすい—鴎友学園出身者からのメール(4)-(松沢呉一)-2,930文字-
「はみ出した者たち—鴎友学園出身者からのメール(3)」の続きです。
女子校出身者はわかる!
以下は追加でユリカモメさんに聞いたことです。女子校出身はわかるかどうか。
これだけ女子校を毛嫌いする私でも気付くと女子校出身者で集まってたりもするし、
相手「女子校?」
私「女子校」
相手「あっ!だよねー、私も! 女子校だと思った!」
みたいな会話はしょっちゅうです。
うーん、やっぱ男性の視線を気にせず生きてきた分、どこかさばさばしてる気がします。
共学出身者はやっぱりいざという時、ふとした時に女感がすごい。
私の親友みたいな人の多くは女子校ですね、、、 わぁ、、なんか嫌だ、、、
でもまぁ時が経つにつれ薄まってもいくんでしょうけどね。
わかるのかあ。噂は本当だったか。
なぜわかるのか
「女子校出身者は互いにわかる現象」はいくつかの側面から説明できそうです。
風俗嬢からも似たような話を聞くことがあります。大学生風俗嬢から、「学校の同じクラスに風俗をやっていそうなのがいるんだよねー」と聞いたり、風俗をやめて普通の仕事を始めてから、「同じ職場にどうも臭う人がいて、ある時聞いたら、やっぱり以前やっていたって」と聞いたり。当然、彼女自身も見抜かれている可能性があります。
私もこれを感じることがあります。「ヘルスにいたでしょ」なんて聞いたらひっぱたかれそうなので、確認したことはありませんけど、どことなくわかる。
誤解している人がよくいますが、ブランドものが好きだの、派手だのは、キャバ嬢の特徴にはなっても、風俗嬢の特徴にはなりにくい。もっと言葉にするのが難しい「雰囲気」みたいなものです。
この場合は、「風俗で働いたから、ある特色が身につく」ということより、風俗で働きそうなタイプというのがいくつかあって、そのうちのあるタイプに合致しているってことの方が大きいかと思います。じゃないと学生の間のアルバイトだけで判別できる特色が身につくはずがない。
よって、機会があったらやっていたかもしれないけど、実際にはやっていないのを含みます。はっきりさせたいので、今度ひっぱたかれてきます。
この話を導入すると、女子校に入学する段階で、それまでの生い立ちや環境にすでに傾向があり、それによって性格や振る舞いに特性が出ているのです。これは前に説明した「均質な生徒が選別されている説」ですが、同じ学校や似た学校だったらその傾向があるとして、広く女子校をくくる傾向まではないか。
もうひとつは、ごく当たり前に考えられる「人格形成において重要な6年間に共有する環境がどこかに反映されてしまう説」です。産毛はそのわかりやすい例であり、もっと見えにくいところに処理できない産毛が生えてしまっているのです。肩毛やケツ毛という意味ではなく(これもあるかもしれんけど)、言葉遣いや仕草に出ていたりするかも。
ユリカモメさんはわりと言葉遣いが丁寧で、敬語をちゃんと使います。共学校出身でもそういうタイプはいますから、それだけでは決め手にはならないですけど、たぶん鴎友出身者は、路上でカエルを見て、他の女子が「キャー」と言っている横で、つい「解剖したい」と呟いているのだと思います。
鑑別所出身者はわかる!
そして、もうひとつの解釈は、「環境に馴染めない人たちが自然と集まる説」です。もっともありそうなのはこれじゃなかろうか。
女子校出身者は男がおしなべて変質者に見えますから、男子生徒を避けます。彼女らにとって、男子とうまくやっていくスキルのある共学出身者たちは変質者の仲間ですので、彼女らとも馴染めず、そのスキルのない女子校出身者だけで固まりやすい。
特性自体を互いに嗅ぎ取っているのでなく、結果として集まって仲良くなりやすいのです。
そこに共通の特性があるわけですけど、ユリカモメさんも「気付くと女子校出身者で集まってたりもする」と書いている通りで、最初からわかっているわけではないのです。
少年院や刑務所に入っていた人たちは、シャバに出てから、どうしたって出入りする場所やつきあう相手が似てくると思うんですよね。
銭湯ではこういう会話がなされています。
相手「練鑑(練馬鑑別所)?」
私「練鑑」
相手「あっ!だよねー、俺も! 練鑑だと思った!」
そんな会話、聞いたことがないですけど、サウナは刺青がNGなので、銭湯に集まる傾向があるのです(一部刺青NGの銭湯もある)。ふだんは気づけないですが、銭湯に行くと「世の中にはこんなに刺青の人がいるのか」と驚きますよ。若いのからじいちゃんまで。
いろんな人がいるから銭湯はいいのです。
※写真は練馬鑑別所ではなく、鴎友学園です。練鑑の写真も撮っていたと思いますが、わざわざ出すこともないでしょう。
(残り 1060文字/全文: 3076文字)
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