松沢呉一のビバノン・ライフ

店の秘密を次から次と—おしゃべりな奥様風俗嬢[上]-[ビバノン循環湯 443] (松沢呉一)-2,891文字-

15年くらい前に書いたものだと思います。

今回はメトロポリタン美術館の所蔵品から、タバコカードを使ってみました。日本でも明治時代に流行っていましたが、タバコにカードがついていて、コレクションの対象になっていたのです。

その中から各種職業についている女性のシリーズをピックアップしてみました。1880年代のものですので、ちょうどその頃、女性の社会進出が盛んになっていたのでありましょう。船乗りや弁護士、大学教授といった、女性としては珍しい職業もあります。イラストレーターの画風ってことかもしれないですけど、中年女性ぽいのが多い印象です。

このタバコカードはパブリックドメインの表示がありません。130年ほど経ってますから、描いた人はほぼ亡くなっているでしょう。著作者名は書かれておらず、タバコメーカーの法人著作だと思われ、当時も今と同じく法人著作は公表から起算でしょうから、間違いなく著作権は切れています。

ただ、タバコカードには、大リーグ選手やボクサー、俳優ものなど、著名人の名前入りヴァージョンがあって、肖像権がひっかかる場合があるかもしれない。肖像権がいつ消滅するのかについては生きている間だけというのが有力説ではあっても確定しておらず、そのため、タバコカードはすべてパブリックドメイン指定していないのではなかろうか。今回出しているものは肖像権と関係ないんですけどね。

パンツを履いていないように見えるのが何点かありますが、何か趣向があったのかも。スカートはシールみたいなもので作られていて、剥がせるとか。

Teacher, from the Occupations for Women series (N166) for Old Judge and Dogs Head Cigarettes

 

 

既婚風俗嬢は話が好き

 

vivanon_sentence既婚風俗嬢たちは話好きな傾向がある。

若い世代であれば、「カレシ公認で、友だちも知っていて、風俗嬢の友だちもいる」ということも珍しくなく、よって仕事のことを話す相手には事欠かないが、現役の奥さまたちは、店の人たちと距離を置きたがり、家族はもちろん、友だちにも言いにくいため、「しゃべりたい欲求」が強い。仕事のことだけではなくて、育児に追われていると、友だちにも会えず、世間話をする相手が欲しいのもいる。

バレると困る彼女たちの事情を考慮して、横で接点を持たせない工夫をしている熟女店もよくあって、そういう店だと話したくても話せない。

そのため、話が合って、信頼できそうな相手を見つけると、なんでもかんでも話し出す。客であってもだ。危険とも言えるのだが、通常は私生活には接点のない相手だから、ストーカーにでもならない限りはもっとも距離のある相手である。

ひとたびそうなると、独身よりも隠さなければならない事情があるはずなのに、独身よりも大胆になりがちだ。

東京郊外の人妻専門店で体験取材した時のこと。朋美さんは幼稚園児の子どもがいる現役の奥様。取材ということで、「話したい欲求」がはじけたよう。住んでいる場所、夫の職業、夫との性生活、結婚前の性体験をあけすけに話してくれた。

店としては「貞淑な奥様が…」ってことになっているので、そのノリをそのまま書くことはできないわけだが、彼女はエロ話も大好き。

この時の取材のバックナンバーを見せたら、その号に出ていた店を見てこう言った。

「この店に行ったんですか」

「行ったよ」

「へえ」

「なんで? 知っている店?」

「いや、別に」

そんな話をしてからプレイに突入。

Lawyer, from the Occupations for Women series (N166) for Old Judge and Dogs Head Cigarettes

店の内情を次々と

 

vivanon_sentence話だけじゃなくて、体もエロが大好きであった。

プレイのあとすっかりリラックスして、急に口がゆるんだ。

 

 

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