マスク率は高いのに対して、なぜゴーグルや手袋をする人は少ないのか—ウイルスとウイルス恐怖症に覆われる世界[2]-(松沢呉一)
「2020年3月6日の東京 —ウイルスとウイルス恐怖症に覆われる世界[1]」の続きです。
これは数日前に書いてあったもので、今日から風邪気味で咳が出ており、中に書いていることとズレが生じてます。今日から3日間は自主隔離です。
本を媒介にして感染する可能性はあるのか?
先週、たまたま通りかかって気づいたのですが、図書館も休館しているんですね(一部サービスを残している図書館もあり)。
以下は都立図書館のサイトより。
国会図書館も。
デジタルアーカイブも、パソコンにウイルスが感染するのでてっきり公開中止かと思ったのですが(アホ)、こっちは大丈夫。だったら私は読むものに困らない。
また、関西館は平常通り。ネットで公開していない資料で調べたいことがあったら、大阪に行けばいいんじゃな。そんな重要で緊急の調べものはなさそうですけど、「いざとなったら」という場があると安心です。
東京の区立図書館も一部機能を残して閲覧等は休止しているところが多いようです。
たしかに図書館によっては飲食ができる店が併設されていたり、ダベっていい談話室があったり、子どもが遊べるようになっていたりしますけど、それ以外では利用者同士の会話は原則なく、近距離で長時間対面することもないですから、そういったスペースのみ使用禁止にすればいいような。家にこもって家庭内感染するより、図書館はずっと安全だと思います。閉鎖空間ではあれども、また、長時間滞在の人たちが多いとはいえども、散歩、登山、釣りの次に安全な過ごし方ではなかろうか。
でも、吊り革やエスカレーターのベルト、エレベーターのボタン、ドアノブで感染するんだったら、本で感染する可能性もあるのか。
本から感染する可能性は限りなくゼロにできるはず
銭湯の店主に言われるまでロッカーで感染する可能性があることに私は気づいてませんでした。せっかく洗ったのに、帰りにまたロッカーや下駄箱に触れてしまいます。これを言い出すと硬貨や紙幣もです。
感染者にはどこで感染したのかわからない人たちがいます。感染が確定した直後の発表では調査が追いついていないってこともありますが、どこまでも感染経路がわからないこともあります。中には迷惑をかけないように、出入りした場所を伏せているのもいそうですが、本当にわからない人の中には吊り革やドアのノブからの感染があり得るのでしょう。
それらは感染した人が触れた直後に別の人が触れることがあるのに対して、本については直後に触るのは、職員以外は稀かと思います。これも直後に触れることがあるペットを介した家庭内感染(に限らないけど)よりずっとリスクは低い。
職員を守るための対策は必須として、利用者については、以前からそうしている図書館があるように、入口にアルコールを置く程度でいいのではないかと思うのですが(アルコールも入手しにくくなっているのが難点)、一斉休館に近い措置になっているのは文科省からの通知があったためですから、意味があるかないかとは無関係で、「政府は頑張ってます」感の醸成が目的でしょう。
どこも3月半ばまでの期限つきなので、様子見+準備期間ということで納得するしかないかと思いますが、今回はこの「ブツを介した感染」についてこだわってみました。
※上野動物園も休み。区立の小動物園も全部休み。大宮公園小動物園も休み。小動物園では動物と触れ合えるのが売りであり、私もそこが好きなのですが、それによる休園ではなく、とくに休みの日は多数の人が集まりますし、屋内施設もあるためかと思います。つうか、これも「政府は頑張ってます」キャンペーンが主かな。
トングが消えた
ビッグボーイはサラダバー中止。ダベリながらサラダをとったりしますし、吊り革で感染するならトングでも感染します。
スーパーでは総菜コーナーやベーカリー・コーナーでトングが消えてます。トンカツもコロッケもメロンパンもあんデニッシュも最初から袋に入れられています。スーパーでも家族で来て「あーだこーだ」言いながら買物している人たちもいますから、唾液がかかっている可能性もあります。考えてみると、ふだんからサラダバーやスーパーの総菜は衛生面に問題ありかもね。バイキングや立食パーティも。私は全部気にしないですが。
「当店ではそこまでお客様のために配慮しております」というアピールもあるかもしれないですけど、ステーキ屋やスーパーで万が一感染者が出たら、従業員の検査と消毒で何日間かは営業できず、商品も大量廃棄でしょうから、その損害を考えると、リスクのあることはやめ、感染者がでない対策は全部やるってことなのでしょう。
スーパーやドラッグストア、コンビニではトイレットペーパー状況をチェックしているのですが、たしかにきれいに店頭から消えています。ティッシュペーパーも紙おむつもペーパータオルも。
うちにはトイレットペーパーもティッシュペーパーもいっぱいあるので用はないのですが、様子を知るために、店員さんに聞いたら、数日に1回入荷しても、すぐに売り切れてしまうそうです。早い時間に売り切れるため、私はその場面に出くわしたことがない。
(残り 2335文字/全文: 4537文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ