酒を飲んでいて警察に殺された人とそれに抗議して殺された人たち—ポストコロナのプロテスト[37]-(松沢呉一)
「EndSARSの曲一覧—ポストコロナのプロテスト[36]」の続きです。
世界第七位の感染者数
南米に移動します。
コロンビアです。
お祭りっぽくて、長閑でしょう。
日にちの違う複数のデモの映像が混じっていて、先住民族ミンガ(Minga)のデモは10月20日に行なわれたもので、先住民に対する暴力と殺人の増加に反対し、イヴァン・デュケ(Ivan Duque)大統領に対して話し合いを求めるものでした。
22日には、失業率の増加など経済の改善、警察の暴力、反政府活動家の殺害への対策を求める全国的なゼネストがあり、その時に行なわれたデモがこの映像のメインで、ミンガの人たちもこれに合わせてボゴタに来ていて、これに合流。
見た目は楽しそうでも、要求はシリアスです。
コロンビアでは、感染者が増大しているのですが、ここではあんまり問題にはなってなくて、それよりもロックダウンによる経済の疲弊を問題にしています。
2020年10月17日付「worldometers」
コロンビアもメキシコと似たような経緯を辿っています。人口はメキシコの半分以下の約5千万人ですが、感染者は95万人でメキシコより多くて世界第7位。死亡者はメキシコより少なくて2万8千人で、世界第11位。
コロンビアは3月17日に非常事態宣言を出してロックダウンが始まり、繰り返し延長されて、7月までの4カ月間続き、それ以降も一部規制は残り、自治体によっては夜間外出禁止令が残っていて、自治体によっては屋外での飲酒が禁止されていたようです。
夜外で酒を飲んでいると警官が殺す国
42歳(下の動画では43歳)のハビエル・オルドネス(Javier Ordonez)さんは弁護士で(大学のロースクールに通って弁護士を目指していたという記述もありますが、地元でもだいたい弁護士ということになってます)、9月8日の夜、ボゴタのバリオヴィラルス(El Barrio Villa Luz)という地域で友人に会って屋外で酒を飲んでいたことから取り押さえられて、繰り返しスタンガンを押しつけられて、病院に運ばれて死亡。
「やめてくれ」と彼は言い続け、近所の人たちも「やめろ」と言い、犬だって吠えているのに警官はまるで耳を貸さず。
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