干ばつ・寒波・熱波・洪水によって小麦・大豆・トウモロコシの価格が上昇—食糧危機の時代が始まったか-(松沢呉一)
メキシコは洪水と地震のダブルヘッダー
ずーっと雨が降り続いていたのがやっと途切れて、昨日はひさびさに青空が見えてました。と思ったら、もう次の大型台風14号が控えてます。
これとほとんど同時に発生した別の台風(サイクロン)がフィリピンを直撃して、1万人以上が避難し、10名以上が行方不明。
一方、メキシコでは洪水が起きたと思ったら、同時に地震も襲撃。
地震の死亡者は今のところ1名のみのようですが、洪水では少なくとも17名が死亡。この映像にも出てきますが、うち17名は病院の入院患者たちです。ほとんどが新型コロナの感染者で、停電によって酸素吸入器が動かなくなったことによるものです。非常電源は手術室など一部の電力を短時間賄えるだけなのでしょう。
メキシコでは頻繁に洪水が起きているので、確率の問題でしかなく、かつ洪水の被害が大きかったエリアを地震が襲ったわけではないのですが、洪水エリアでも揺れはあった模様です。洪水による停電で情報も得にくい中での地震は怖いべな。
映像の中で少し見えてますが、地震のあとは発光現象があちこちで繰り返し見られています。地震に伴う発光現象は過去にも報告されていて、静電気ではないかと言われていますが、正確なメカニズムは不明。これまた情報のない中では不気味です。
気にしているからそう思えるだけかもしれないけれど、今年は大きな地震や火山の噴火も多いように思えます。
洪水による中国の農作物への影響
アフリカでも毎週どこかで洪水が起きている状態です。最新はナイル川が氾濫したスーダン。
以下は洪水が去ったあとの映像ですが、15,000人が被災。
北京でも軽い洪水が起きてます。今回の洪水はたいしたことがないですが、中国・陝西省では豪雨から時間差で土砂崩れで建物やトンネルが崩壊。
中国らしいダイナミックさ。周りの声が切羽詰まっていないので、あのアパートの住民はすでに退避していたのでしょう。もし中に住民がいたら死傷者が出ないはずがない。中国ですから、死傷者がいないという発表を信じることもできないわけですが。
おかげで中国では災害ではそんなに人が死なないので心配はないとして、今年は農作物の被害が甚大です。世界に影響を与えますので、そっちは心配。
こちらにまとめられていますが、7月の河南省の洪水では、小麦は収穫後だったため、ほとんど影響はなく、収穫前だったトウモロコシに被害をもたらしていて、予想収穫量の30パーセント減。中国全体の10パーセントを河南省が生産しているため、中国全土の3パーセント相当。
河南省以外でも洪水被害がありましたから、トータルでは5パーセントくらい収穫が減っている可能性があります。たいしたことないと思えましょうが、もともとトウモロコシは国内生産では足りず、輸入していました。その分がまた輸入に上乗せされると、需要がバカでかい中国ですから、5パーセントでも価格が上昇するはずです。
確認してみましょう。
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