松沢呉一のビバノン・ライフ

発作的に禁煙しました—ある種の人々にとって絶大な効果のある禁煙法を実践した[上]-(松沢呉一)

 

 

買いに行くのが面倒になりました

 

vivanon_sentenceタバコをやめました。やめる気はなかったのですが、買いに行くのが面倒になりまして。

軽い出来心のような禁煙であり、まだ3日目が終わったところです。今も吸いたいし、今後吸うか吸わないかはっきりしないですけど、今回はえれえ簡単に始めて、えれえ簡単に3日は成功したので、その秘訣をお伝えしておこうかなと思った次第。

最初に言っておきますが、今までさんざん吸ってきた人がやめた途端にタバコの害を喧伝し、「禁煙しろ」と無理強いすることほど無様なことはなく、私はそんなことは決して言いません。

今までタバコを吸わない時期でも、過剰な嫌煙派は批判して来ましたし、吸いたい人は吸えばいいと思ってきました。私は酒を飲まないですが、飲みたい人は飲めばいいとしか思っておらず、その選択は許されるべきで、過剰に酒飲みや飲み屋を叩くことには反対です。どっちも同じ。

対して「自分はタバコを吸わないから叩く」「自分は吸うから擁護する」、あるいは「自分は酒を飲まないから叩く」「自分は飲むから擁護する」のはただのエゴでしかなく、こういう人たちはタバコや酒より社会の害悪です。

よって以下の話はただの私個人の報告であり、無理に他人に勧めるものではありません。

 

 

3日目を越えれば楽になる

 

vivanon_sentence始まりは先日の木曜日23日のことです。体調不良でずっと寝てました。月に1回か2回あります。だるくて何もできない日。この日は軽く頭痛もありました。そういう状態だったので、あんまりタバコは吸ってませんでした。

夜の9時頃に起きたのですが、この時にタバコが切れそうなことに気づきました。紙巻があと2本、パイプタバコがあと2回分。紙巻はもう一箱あったんじゃないかと思ったのですが、ありませんでした。

私が知っている範囲で、この時間にパイプタバコを売っている店はなく、コンビニに紙巻タバコを買いに行こうかと思ったのですが、だるくて面倒です。だったらやめるか。

ここから昨日までの3日間やめてました。

禁煙がきついのは3日間です。1日目は吸いたい欲求がマックスの10ポイント。家の中のどこかにタバコがないかと探したり、路上に落ちている吸い殻を拾いそうになったりしかねない状態。

2日目は9ポイント、3日目が8ポイントだとすると、4日目は5ポイント、あるいはそれ以下に急落します。これ以降の落ちはなだらかなので、禁煙1週間目でも10日目でも1ヶ月目でも挫折はしますけど、最初の山は3日間であり、これさえ越えればあとは比較的楽。

それをあっさりクリアしました。以前からやめる気になればすぐやめられると言ってましたが、ホントにそうなのです。やめる気がないだけ。10年以上前に数年間はやめていたのですが、中国で復活してしまいました。

中国では客人に酒を勧めるのが礼儀です。私は酒を飲まないので断ります。そうすっと今度はタバコを勧めてきます。全部断るのは申し訳なくてタバコはもらうようにしているうちに喫煙が復活。中国の高いタバコはけっこうおいしいんですよ。

あれからやめてなかったんじゃないかな。

 

 

禁煙が容易にできる条件とは?

 

vivanon_sentence買いに行くことの面倒と、「ちょうど今は禁煙条件が揃っているな」と気づいたこととが合わさって、木曜日の夜中に「よし、あと数時間で禁煙だ」になりました。

では、「禁煙条件」とはなんなのか。

 

 

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