三幸製菓の工場火災で亡くなった60代・70代のバイトの方々に思いを馳せつつ、銭湯の清掃に向かう-(松沢呉一)
三幸製菓の工場火災
火災の翌々日最終更新の報道によると、新潟の三幸製菓の工場火災で亡くなった5名のうち1名は身元不明で(おそらく20代の社員ですが、遺体が焼け焦げて確認に手間取っているのだと思われます)、4名は清掃担当。60代1名と70代3名。雪の宿のみならず、雪の宿のかりんとうもよく食べているので、その点で親近感がある上に、高齢者の清掃担当という点でさらに一層身近になりました。
火災が発生したのは午後11時50分、24時間操業しているのかと思ったのですが、夜は機械を停めて清掃の時間になるようです。この時は休憩時間だったので、清掃は朝までなのでしょう。米粉が飛び散ったりして、汚れやすいんですかね。
年寄りだから逃げられなかったのではなく、夜は清掃員がメインで、この時は30人ほどが勤務。一部若い従業員がいただけです(その後判明したことについては最後に追記しておきました)。
よく「この歳になると、雇ってくれるところがない」と50代以上の人たちは嘆きます。そりゃ高給は無理ですが、安いバイトでいいんだったら、清掃ジャンルで雇用してもらえます。腰の悪い人はきついでしょうけど、現に私は銭湯の清掃をやっていて、すでに馴染んできています。
よく駅の構内でも清掃の人たちが活躍しているのを見かけます。あれも床にこびりついたガムなどを剥ぎ取る時はしゃがまなければならないでしょうが(剥ぎ取るヘラみたいなのも柄が長いのがあって、あれだとしゃがまなくていい)、それほど頻繁ではないでしょうから、銭湯の清掃よりは楽かもしれない。
ただ、私の場合、8時間清掃の仕事をするのは辛いかな。動き回っていい分、機械の清掃よりは駅構内の清掃の方が気が紛れるか。
※2022年2月12日付「新潟日報」
他の銭湯に行っても汚れが気になる
といったように、最近、他の清掃の仕事も気になってます。自分にもできるんじゃないかと思いまして。
現在、銭湯の清掃は週に2回ですが、だったら週に1回、8時間の仕事をした方がギャラがいい。「でも、8時間続けて清掃するのはかったるいな」と思ってしまいます。銭湯の清掃はつねに動いていて、休憩なしで最後まで一気にやるため、考える暇がないのが私向き。気づいたら終わっている感じ。
だったら銭湯の清掃を週に3回やってもいい。連続すると体が休まらないので、週に3回までかな。
バイト先の銭湯はタダで入れるのですが、私はいろんな銭湯に行きたくなるので、合間に他の銭湯に行ってまして、そうすると汚れが気になります。今までは気にならなかったのに、どこが汚れやすいのかわかってきているので、ついそういうところを見てしまいます。
どうやっても遅い時間帯になると汚れて、だから毎日清掃するのですけど、「数日掃除していないな」という銭湯があるんです。指で確認すると落ちるので、積年の汚れがこびりついてとれなくなっているわけではありません。
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