「ワクチン実験場」イスラエルで死者増大—ブースター接種と児童への接種は再考した方がいいと思うなあ-(松沢呉一)

規制反対行動で見られるイスラエル国旗

英国も規制撤廃を決定しましたが、ワクチンのブースター接種は続けるとのことで、この部分に対してのプロテストはなお続きそうです。もともとジョンソン首相は規制をしたくないとの考え方でしたけど、国民がそれでは安心できない。自由や民主主義を放棄してでも、強い政府に規制して欲しがったのは国民です。

その国民も「もうウンザリ」とばかりに規制反対・ワクチン強制反対に動き出しています。ヨーロッパにおける規制反対・ワクチン義務化反対の行動で、イスラエルの国旗が出ているのを見ます。頻繁ではないですが、ここ数日だけでも何度か観ています。

他国に来ている人たちが出身国の国旗を出すのはよくあることですが、フリーダム・コンボイがイスラエルにも飛び火しているため、カナダ、フランス、ニュージーランドと並んでフリーダム・コンボイ実施国としてイスラエルの旗が出ているのかもしれない。

これはイスラエルの映像なので、カナダ国旗とイスラエル国旗が振られています。

また、フィンランドの国旗も出ているようです(車の中から出ている)。プロテストではしばしば北欧勢の国旗が出ていて、規制全廃を表明した国への賛意です。

イスラエルもここに来て方向転換をしつつあるので、ウィズコロナ・グループとしてカウントされての国旗である可能性もあります。

結局のところ、どの意味がわからないのですが、今回改めてイスラエルの動きを追ってみたら、この国はしっかり取り上げる価値がありそうだと気づきました。

ここに出した2022年2月21日付「日刊スポーツ」(共同通信配信記事)だと、ワクチンの効果で感染が減ったので、イスラエルは入国の条件をゆるめたように思えますが、現実はちょっと違っています。

すんごくわかりやすくイスラエルの現状をまとめると、「ワクチンを信じて接種を進めてきたけど、感染も死者も抑えることができず、入国制限することに意味がないところまで至った。こんなことをいつまでもやっていると、観光収入がなくなるばかりだし、経済は疲弊するばかりなので、もうやめますわ」って感じです。

そこまではっきりと方向転換して、ワクチン接種を放棄したわけでもないのですが、ざっくりとした方向としてはこんな感じ。

イスラエルは「ワクチンの実験場」と言われてきましたが、その実験は失敗に終わったと言ってよさそうです。

「イスラエルはワクチンの実験場」というのは、昨年9月に、ファイザーの科学部主任であるフィリップ・ドルミツァーがZOOMで科学者たちに向けて発言したもので、イスラエルで大きな問題になりました。

フィリップ・ドルミツァーを擁護する人たちは、「文脈を無視して切り取られ、あたかも副作用が出るかどうかの実験という意味にとられてしまったが、元の発言はそういう意味ではない」と言ってます。

たしかに、元の発言は、「ブースター接種について先行しているイスラエルの結果が他国の参考になる」という意味合いで「イスラエルはある種の実験場」と言っています。

それにしても、製薬会社は接種によって何が起きるかわかっておらず、その実験をイスラエルでやっていると言っているわけで、問題発言ではあります。この発言は一般公開されたものではないでしょうが、即日外に漏れていることから、ZOOMで聞いた研究者の中に問題だと感じたのがいたのだと思われます。

このことから、「ファイザーはワクチンの副作用(副反応)についてもどうせわかっていないんだろう」と見なされるのはやむを得ないのではないか。

※2021年9月12日付「THE TIMES OF ISRAEL」　実験場発言を比較的冷静にとらえたイスラエルの記事

イスラエルでは、11歳以上の8割以上が2回の接種を済ませていて、昨年11月からは5歳から11歳への接種も開始しています。しかし、成人についてはすでに頭打ちで、なかなか増えず。接種しない人たちは確信犯的なワクチン拒否層と思われます。

そこでイスラエル政府は、すでにワクチンを打った人の効果をさらに強化すべく、2021年7月30日に3度目のワクチン接種を認可して、世界で初めてブースター接種をスタートさせます。世界初ですから、実験に相応しい。

その実験の結果は、以下の通り。

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