クリミアの石油貯蔵庫が大爆発—ロシア国内の正教徒とムスリムの闘いが泥沼化するか?-(松沢呉一)
無差別殺人国家ロシアの攻撃で25名の民間人が死亡
しばらくロシアからイランに出かけていたので報告が遅くなりましたが、ウクライナの反転攻勢に向けて、その前哨戦と言えるウクライナとロシアの動きが激しくなっていて、3日ほど目を離すだけで、注目すべき話題がてんこ盛りです。
先週半ば、ウクライナ軍がドニプロ川での渡河作戦を成功させたとの情報が流れてました。詳細が今もわからないのですが、これを橋頭堡としてウクライナ軍はこの周辺からの攻勢をかけることをロシア軍は警戒するしかなくなり、そう思わせておいて、別のところから攻勢をかけることも可能になりました。まさにそれを狙った渡河作戦でしょう。
それに対する反撃のつもりなのか、28日にロシアの爆撃機からミサイルが発射され、迎撃できなかったミサイルのひとつがドニプロのアパートに命中、少なくとも25人が死亡。
ロシア軍ができることはもはや民間人の殺戮だけか。
29日にはドネツク地方の村マロタラニフカでロシア軍のドローンが爆発して民家が炎上し、母と娘が重傷を負っています。
ロシアに支配されていないエリアなのかもしれないですが、無差別殺人国家のロシアであっても、あまりに意味のない攻撃なので、得意の誤爆でしょうか、
セバストポリの石油貯蔵施設が大爆発
同29日には、クリミア・セバストポリの石油貯蔵施設が大爆発。
さすが石油はよく燃えます。死者はおろか、負傷者さえ出ていないとのことで、人殺し国家とは違います。
ここで気になるのは、ロシア側はウクライナのドローンによるものと発表し、ウクライナ側は否定していることです。ロシアとしては、ウクライナにミサイルをぶちこむ口実としてフルに利用したいのでしょうけど、ここに至ってウクライナが否定しているところがひっかかります。
このところのウクライナの展開からすると、「どーだ、クリミアも奪還するぞ。ここもロシア軍は手を抜けないぞ」というアピールをしていいはずなのに、なぜ否定したのでしょうか。ことによると、正規軍ではなく、パルチザンの仕業か? なにしろパルチザンはハイマースなどの最新兵器まで手に入れているようですから、
クリミアのパルチザンはウクライナ軍と連携していて、しばしばウクライナ軍の意向で動いているため、どのグループがやったのかまで把握できているはずですが、ウクライナ軍が関知していないところで動き出しているパルチザンがいるのではなかろうか。
ロシアのことですから、タバコの火の不始末や自軍の誤爆が原因で、みっともなくてウクライナのせいにしているかもしれないですが。
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