ルカシェンコは毒を盛られたとの説を検討する—陰謀論では片づけられないリアリティ-(松沢呉一)
「ルカシェンコの病気はベラルーシに何をもたらすか—独裁終焉の可能性を探る」のその後です。
ルカシェンコ大統領がまたも重篤で緊急搬送、っておかしいべ
ベラルーシのルカシェンコ大統領がプーチンとの会談のあとまた病院に運ばれたとベラルーシの野党党首がSNSに書いたことが報道されています。情報源がそれしかないので直ちに信用はできません。
また、否定する情報がベラルーシ政権側から流されているので、どっちが正しいのか不明。いっそ死んでしまえばさすがに隠し切れないですから、まだ生きていそうだとの判断ができる程度。
と私は冷静なスタンスをとっていたのですが、ベラルーシの野党から、「ルカシェンコはロシアに殺されそうになっている」との説も出ています。
いくつかのメディアがこの可能性を追っています。
以下はインドのWION。
他のインドメディアも同様の報道をやっています。
結局のところ、どこまで何なのかわからんということですが、「陰謀論」で片付けないところは信用できます。今までも繰り返してきたように、なんでもすぐに「陰謀論」で片付けることは「陰謀論」と同様に有害です。
ルカシェンコ政権の発表と違い、野党から、ロシアから帰国する大統領専用機にルカシェンコは乗っておらず、今もモスクワの病院に入ったままであるとの説が出ています。
これはロシアによって監禁されている可能性をも想像させます。
毒殺しなれているロシアが二度も毒殺に失敗するとは思えない
「ルカシェンコの病気はベラルーシに何をもたらすか—独裁終焉の可能性を探る」で見たように、ルカシェンコ自身、これまで命に関わる病気になっていると自覚しておらず、不慮の要因で連続して病院に搬送された可能性が高い。
病気であることの自覚がないわけではなくて、その病気が命に関わるものではないとの指摘もなされています。症状から見て、脊椎の病気ではないかとの説が出ていて、これだと死にはしないけれど、歩くことも困難になりえます。
私の持病である頚椎ヘルニアでも車椅子生活になる人がいますが、死にはしない。
また、不慮の要因として、プーチンに毒を盛られた説は、戦勝記念日にルカシェンコが体調を崩した段階でも出てました(例:2023年5月10日付英「ミラー」紙)。
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