ハワイ・マウイ島の山火事その後—中国の大洪水では千人を軽く超える死者が出たと中国人は語る-(松沢呉一)
「ハワイ・マウイ島が全焼の危機—地球沸騰の時代を実感しないではいられない」の続きです。
ハワイ・マウイ島の山火事による死者数は増え続けている
瓦礫の山となったマウイの中心部であるラハイナ周辺から、続々と遺体が発見されていて、数時間単位で死亡者数が増えています。
この報道の段階で96人、その後さらに増えて99人になっています。「100人突破!」とやるのは気が引けるので、その前に出すことにしました。
なおも数百人と連絡がとれていないのは、この映像にあるように、海に逃げた人が多いためでもありそうです。火が鎮まらないため、10時間海の中にいた人たちもいたというので、いかに苛酷な状態だったかわかります。この映像では遠浅なので、陸から離れて煙を避けることもできたのでしょうが、場所によっては一酸化炭素でやられた人もいるでしょうし、溺れた人もいるでしょうから、遺体を探すのが困難だろうと想像します。
現段階でも山火事の死者数としては記録的です。念のために確認しておきますが、ハワイは旱魃が続いていて、木が乾燥していたことが山火事を大きくしていて、これも気候変動が背景にあります。
日本、スウェーデン、ノルウェー、インド
ハワイには行ったことがなく、行きたいと思ったこともないのですが、あまりに特殊な事例なので、災害マニアとしては注目せざるを得ない。しかし、そうこうするうちに、洪水被害も拡大しています。
日本も台風7号が猛威をふるっていて、静岡では竜巻の被害。
前にも書いたと思いますが、日本での竜巻は海上のものが多く、陸で被害が生じることは珍しいのですが、最近増えてきている印象。
スカンジナビア半島でも記録的な大雨でダムが決壊。
昨年はドイツの洪水被害が大きかったですが、今年はジュージア、スロヴェニア、スウェーデン、ノルウェーです。ドイツだって今年は大丈夫かどうかまだわからんですし。
インドの洪水は毎年のことですが、今年は7月から途切れず各地で洪水被害が出ていて、 昨日も大きな土砂崩れがあって。少なくとも33名が死亡。
中国当局の公式発表では6月以降の洪水のトータルで100人も死んでいない
しかし、なんと言っても中国の被害が大きく、1998年に4千人が亡くなった長江の洪水と同じレベルだと言われています。この頃はまだ正確な数字を発表していたか、ごまかすにしても程度が控えめだったのでありましょうか。
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