松沢呉一のビバノン・ライフ

ペットを客室に入れたがる人々の適切な扱い—JAL機内の客室乗務員の声・客の声[前編]-(松沢呉一)

 

「ペットを客室に入れられるようにしろ」と騒ぐペット馬鹿が知らなければならない正確な情報

 

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私の中では、飛行機事故の余韻がまだ続いてます。

昨日、バイト中に、ずっと考えていたことがあります。

これです。

 

 

動物好きな私も心を痛めています。でも、イヌやネコがギャーギャー鳴いていたらウザいと思う人たちがいることもよくわかりますし、アレルギーの人もいます。

動画内にあるように、キャリアーから出したら確実に不快になる人がいそうです。

デルタ航空を調べてみたら、ガイドラインにこうあります。

 

Pets must remain inside the carrier while in the airport boarding area, during boarding, as well as throughout the duration of each flight.

 

空港の搭乗エリアに入って以降、規定のキャリアーから出してはいけないのです。機内では、前の座席の下に入れることになっていて、キャリアーを膝の上に置くこともNG。

あの動画につけられたキャプションを読むと、本来はそういうルールになっていることを踏まえて、乗客が少なかったために、客室乗務員が特別にペットを外に出すことを許可してくれた旨を説明しています。

躾けられていたって、環境が違うために小便を漏らすかもしれない。私も歳のせいで、環境が違うと小便を漏らしますが、パンツを履いてますから。

ペットを外に出してはいけないのは、病原体の拡散を防ぐ意味もあって、流行りのトコジラミをシートに置いていくかもしれないのに、こんなことを許す航空会社は信用できねえ。

そんなルール違反の映像を説明なく出すテレビ局も信用できねえ。

米国においては、 サウスウエスト航空、 アラスカ航空、 ユナイテッド航空、 アメリカン航空、 デルタ航空、 ハワイアン航空、 スピリット航空、 フロンティア航空では客室にペットを持ち込めますが、どこもデルタ航空同様の厳しいルールになっていて、持ち込めるペットのサイズ、種類が限定され、キャリアーのサイズも限定され、路線も限定され(国外線NGだったり)、持ち込める人間も限定されています(18歳以上など)。ルールを守れない犬猫レベルの人間は持ち込む資格なしでしょう。

その上で料金がかかりますし(飛行距離と関係なく、一律100ドル前後が多い)、持ち込める座席にも制限があります。当然かと思います。

環境が変化すると人間以上にペットに負担がかかるとされています。だから、ペットホテルに預けることも避けて、不在中は餌やりや散歩を隣人や知人に頼む人たちもいます。人間関係がうまくいっておらず、頼める人がいないこともありましょうし、一時の不在ではなく、引っ越しのための移動ではやむを得ないと思いますが、米国と違い、車や鉄道の移動が容易な日本で、あえて飛行機で移動しなければならない理由なんてありますかね。あったとしても、貨物室で十分でしょう。

客室に持ち込めるようにしても手荷物扱いですから、いざ事故に遭ったら持ち出せない。でも、犬猫並のモラルの人たちは、そんな決まりを無視して、「家族を置いていけない」とガキのように騒ぎたててペットを持ち出そうとし、「だったらオレもパソコンを持ち出す」「私も家族への土産を持ち出す」「印鑑とクレジットカードを持ち出す」と連鎖して、全員焼け死にましたとさ。

数時間でもペットと離れることができない異常者は、ペットと一緒に箱詰めにして、貨物室に入れればいいべさ。

 

 

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