松沢呉一のビバノン・ライフ

JAL本社に展示されている事故機の残骸—韓国でたびたび起きる「後進国型事故」[追記編1]-(松沢呉一)

ペットを客室に入れたがる人々の適切な扱い—JAL機内の客室乗務員の声・客の声[前編]」と「日韓の銭湯の間に何がある?—韓国でたびたび起きる「後進国型事故」[後編]」の続きです。

 

 

地震と飛行機事故に対する韓国の反応

 

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まず確認です。

日本にいる韓国人YouTuberや韓国から日本向けに配信しているYouTuberたちは、地震や飛行機事故に対してのお見舞いの言葉を述べています。

韓国にいるジェホは、以下の動画の収益を全額寄付すると言ってます。

 

 

報道も、日本国内同様、乗務員の適切な対応と、指示通り、荷物を持たず、ヒールの尖った靴などを脱いだ乗客の姿勢が脱出を可能にしたことを伝えてます。

 

 

アナウンサーは「日本に学べ」とまでは言ってないですが、コメント欄では「日本の市民意識の高さに学ぶべきだ」といった言葉が並んでいます。

「ざまあ」と言っている人を私は確認できなかったのですが、そういう人たちも少しはいて、「こんな時にも日本を非難するような人間は家の中だけでやってろ」と諌めるコメントはありました。

多数の人がお祝いをし、ニュースキャスターまでが「汚染水を放出したことの報いだ」とした中国と韓国は大きく違うことを確認しておきます。中国にもそれを批判する人たちがいたことを見ておくべきですけど、調査のため、テレビ局がニュースキャスターを出演停止処分にしたことに抗議する人たちが沸いています。

中国共産党はそういう国民を作り出してきたわけですが、自分たちも危うくなってきて手のひらを返したら、国民から突き上げられる滑稽さ。

 

 

インドの報道に学ぶ

 

vivanon_sentenceJAL機には、オーストラリア人やイギリス人の複数の家族が乗っていて、とくにオーストラリア人は12人も乗っていたそうです。英語圏のテレビでは、彼らのインタビューを流しているので、各国の報道を観ていたのですが、私が注目したのはインドです。前から言っているようにインドの報道にはしばしば感心させられます。

各局が繰り返し長く報じていて、5日にアラスカ航空ボーイング737MAX9の窓がすっ飛んだことにからめて、今も続報を出しています。

ただただJALの客室乗務員を褒め称えるのではなく、ここから学ぼうとする姿勢がどの局にも見られました。

 

 

どこの国でも「JALの乗務員の行動を撮影した映像は、これから長い間、客室乗務員のトレーニングに使用されるだろう」などと称えられていますが、インドではさらに踏み込んだことを言ってます。

上とは別の番組で、航空機の安全対策の専門家がこんなことを言ってました。

「これは奇跡なのではありません。徹底した訓練を何度も何度もしてきた結果です。日本航空はそれをやってきました。しかし、それができていない航空会社があるのです」

暗にインドの航空会社のことを言っているようでもありました。たしかに「奇跡」とすると、神の加護だの、運だのによってもたらされたようですが、そうではないことを知らせようとしています。

 

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