松沢呉一のビバノン・ライフ

日本人観光客も他国で迷惑行為—警察のボディカメラと肖像権-(松沢呉一)

 

 

日本人観光客の暴走と逃走

 

vivanon_sentence

日本に来る観光客のマナー違反をよくテレビでも取り上げていて、オーバーツーリズム対策も各所で始まっています。私も中国人のマナー違反を取り上げていますが、他国に迷惑をかけている日本人観光客のことも取り上げないとフェアじゃないと思うので、たまにはやっておきます。

 

 

米フロリダ州で、日本人観光客が運転する車が制限速度72キロの道で56キロオーバーの128キロで走行。4台のパトカーがサイレンを鳴らして追尾し、12キロ逃走した末にやっと停止。

ロクに知らない国で56キロオーバーで走ることも理解できないし、パトカーが赤色灯を点けてサイレンを鳴らし、後ろから走ってきていることに気づいていたのに走り続けたことも理解不能。

「知らなかった」が言い訳になるはずがなく、日本でも、緊急車両が走ってきたら、路肩に停車するか、徐行して道を開けるのがルールだべ。

よくこういう警察動画では、カーチェイスものがありますが、あれは他の車や歩行者を巻き込みかねないので、即釈放にならなかったのは当然かと思います。

手錠を掛けられ、署に連行され、8万円の罰金を払い、20時間のプログラムに参加することで不起訴に。正確なことはわからないですが、略式起訴よりさらに手前の手続きのようで、記録は抹消。

軽度の犯罪に手間をかけることを避けて、省力化を図る制度でしょうが、これって犯罪数にカウントされないってこと? だとすっと、米国の犯罪数のデータは、実際より少ないってこと?

 

 

米国では大半の州で警官がボディカメラを装着することが義務づけられている

 

vivanon_sentenceこの動画はもともと顔を伏せていなかったはず。

リンクしないでおきますが、米国ではこの件を含め、警察のボディカメラ映像は、多くの場合、顔が晒されています。この動画の米国版でも免許証は伏せられていて、プライバシーへの配慮がないわけではありません。でも、顔は丸出し。

この10年の間にボディカメラの装着を義務づける法律が米国各州で制定されています。一般の国民にとっては、警察の不当な逮捕や暴力の証拠を得られますし、警察にとっては不当な告訴・告発に対抗できるようになります。公正な裁判、公正な判決も期待できますし、メディアにとっては臨場感のある映像を使用できます。いいことづくめ。

しかし、公的処分より、この公開処刑の方がキツくないですか? もしこれを見て特定班が動き出したら、「アメリカ旅行で逮捕されちゃったよ」なんて冒険談のように吹聴しているアカウントを探し、フルネームや住所はもちろん、家族構成や友人関係まで特定し、職場まで晒し上げます。

3月ってことは卒業旅行かもしれないですが、職場にバレたら、入社早々懲戒かも。正規の入社前の行為について遡って懲戒はできないと思うのですが、履歴書の賞罰のところにこの件が書かれていなかったことをもって、虚偽があったとされるかも。でも、犯罪にはなってないので、申告しなくていいのか。

こんなんだったら、前科がついて、入国禁止になった方がまだマシかもしれない。

✳︎AXIS W101 Body Worn Camera 17時間撮影可能

 

 

next_vivanon

(残り 1450文字/全文: 2832文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ