三豊百貨店倒壊事故を今も韓国は克服できていない—セウォル号沈没・銭湯の感電事故・リチウム電池工場の火災-(松沢呉一)
リチウム電池? リチウムイオン電池?
23人が亡くなった韓国の工場火災発生直後の内部の防犯カメラ映像が公開されました。
リチウム電池とリチウムイオン電池は大きく違うことを最近まで知らずにいました。一回こっきりの電池はリチウム電池。EV車やパソコン、スマホに使用するのは、繰り返し充電できるリチウムイオン電池。EV車、EVバイクのバッテリー発火がよく問題になりますが、これはリチウムイオン電池です。面倒なことに、こちらもしばしばリチウム電池と略されています。
この火災はどっちかよくわからなかったのですが、発火して有毒ガスが出たということなので、リチウムイオン電池だろうと目星をつけていましたし、AFPはリチウムイオン電池と報じています。しかし、私同様、AFPは「炎上したなら、リチウム電池に違いないと決めつけた可能性もあります。
これについては韓国メディアが解説していて、炎上した工場はアリセルという会社のもの。アリセルはリチウム電池の製造を主力とするメーカーで、この工場に保管されているのもほとんどはリチウム電池だったとのことなので、EV車のバッテリーではなさそうです。
「ほとんど」ということは少しはリチウムイオン電池もあったようですが、それが発火原因とも言えず、リチウム電池も高温に晒されると発火、爆発することがあるそうですので、このところ猛暑続きの韓国の気候が関係しているのでありましょうか。
例年、日本より涼しくて、「日本は蒸し暑い」と言っていたのに、今年は逆転していて、訓練中の軍人が熱中症で死亡するなど、韓国は異常事態に動揺してます。こういう時、韓国は問題から目を背けるのが得意です。「韓国が日本のお菓子をパクってばかり」と指摘されると、「日本も米国からパクってきた」と虚偽を交えて相対化するのもそうですし、もっとひどい国を探してくることもよくやります。中国がよく引き合いに出されますし、猛暑についてはメッカだけでなく、インドでは選挙の投票所で職員33人が熱中症で死亡したことが大きく報じられていて、私はこの話を韓国経由で知りました。
✳︎2024年6月24日付「韓国経済新聞(한국경제신문)」
死亡者の大半は朝鮮族の出稼ぎ労働者
アリセル工場の火災による死者23人のうちの17人が中国人だったようです。
韓国側では中国人であること以上の詳細は発表されていないのですが、中国メディアが「工場では100人以上の30代から40代の朝鮮族の女性たちが働いている」と報じていて、それを韓国メディアが引用して報じています。中国メディアに負ける韓国メディア。
ただし、この数字は間違いだったようで、最新のアリセルの説明によると、「工場では103人が働いていて、うち50人が正規職員で、53人が外国人労働者だ」とのことです。おそらく53人のすべてが朝鮮族です。
韓国には中国内朝鮮族が多数出稼ぎに来ていて、彼らが多く住むのは吉林省の延辺朝鮮族自治州。白頭山を挟んで北朝鮮と接しているエリアです。自治区では朝鮮語を使え、かつ漢字混じり文も維持しています。言葉のギャップが少ないので、韓国に働きに出るのが数十万という単位でいます。
日本にも来ていて、延辺料理の店をやっていたりします。辛いけれど、韓国料理とはまた違い、四川料理寄り。
韓国側の公表が遅れているのは労働環境が劣悪なためかもしれない。時給は韓国の最低賃金9,860ウォン。1,230円くらいなので、日本よりいいですけどね。これはここだけの話ではなく、朝鮮族は、韓国人が嫌がる仕事を最低賃金でやってます。
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