銭湯での感電死に注意—韓国でたびたび起きる「後進国型事故」[前編]-(松沢呉一)
「後進国型事故」は、韓国毎日放送(MBN)のニュースでアナウンサーが使用していた言葉です。詳しくは次回。
クリスマスイブに韓国の銭湯で3人が感電死
韓国軍について調べるついでに韓国のニュースをさまざま見ていたのですが、ムチャクチャ怖かったのはこれです。
2023年12月25日付「朝鮮日報」日本語版
クリスマスイブに韓国世宗市の銭湯で3名が感電死。
韓国に行った時、連日銭湯に入っていたので、日本の銭湯との違いはだいたいわかります。日本で朝湯をやっている銭湯でも、5時台からやっていることはまずない。早くて6時から。そもそも東京で朝湯を連日やっている銭湯は100軒に2軒あるかないかですが、韓国ではもれなく早朝から営業してます。事故時、女湯には7人いたそうなので、需要があります。
これは入浴習慣の違いです。韓国では、シャワーしかないホテルがよくあって、アパートも同様。湯に浸かりたい人やサウナに入りたい人は銭湯に行きます。これが朝なのです。日本では1日の終わりに風呂に入るのに対し、韓国では1日の始まりに風呂に入ります。5時台だと老人が多いでしょうが、このあとの時間帯は、仕事前に一風呂浴びる人たちがやってきます。
家でシャワーを浴びる人も、重きがあるのは朝で、夜はシャワーを浴びずに寝る人も多いようです。先日書いたように、中国でも風呂に入って温まって寝るのが一般的で、なぜ韓国は朝湯なのかは不明。
そのため、日本のように、夜遅くまでやっている銭湯はなく、午後7時か8時には終わる銭湯が多かったはずです。
韓国銭湯の内部
韓国ではサウナに入ることを銭湯の主目的にしている人も多く、サウナと水風呂がどこの銭湯にもあって、日本のように、サウナが別料金になっている銭湯はありません。しかも水風呂が泳げるくらいに広く、かつ深く、実際私は泳ぎました。上から打たせ湯ならぬ打たせ水が落ちてくる銭湯もありました。
その点は韓国の銭湯の良さであり、サウナーにはおすすめですが、サウナに重きのない私には日本の銭湯の方がいい。
2023年12月25日付「朝鮮日報」に添えられた、事故のあった銭湯の内部写真を見ると理解できましょう。
だいたいどこもこんな感じ。
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