『散歩屋ケンちゃん』 銚子電鉄百周年記念映画!だが、銚子電鉄はほとんど関係ない、ぬれ煎餅押しでも観光映画でもない謎映画。
→公式サイトより
『散歩屋ケンちゃん』
監督・原案 寺井広樹
脚本 ビッグ錠、前田郁、寺井広樹
撮影・編集 曽根剛
音楽監督 林有三
主題歌 友川カズキ
出演 いしだ壱成、石田純一、ビッグ錠、佐伯日菜子、友川カズキ、古川杏、SEKIDAI、辛酸なめ子、瑚々、日野日出志
銚子電鉄百周年記念映画! えーまた銚子電鉄。ここで銚子電鉄発の映画をとりあげるのは『電車を止めるな!~のろいの6.4km』、『トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡』に続く三本目。運賃収入ではやっていけない貧乏鉄道という売りが奏功してマスコミに取り上げられるようになって、ちょっと調子に乗ってるんじゃないの? こんな映画作っても、赤字解消には貢献しないんぞ! と思っていたら、劇中でも
「映画作るより、お菓子売ったほうが金になる」
と言ってた! わかってるんじゃないか! そういうわけで銚子電鉄大フィーチャーかと思いきや、映画の中でも銚子電鉄はほとんど関係なくて、もっぱらオーバーオールに野球帽という小学生みたいな格好をしたいしだ壱成が駄々をこねまくる謎ストーリー。ぬれ煎餅押しでも観光映画でもないとなると、なんでこんな映画が作られてるのか、真剣にわからない……
銚子に住む洗濯屋のケンちゃん(いしだ壱成)は洗濯だけでは生計が立たないから、と証明写真撮影をはじめよろずなんでも請け負っている。今日もいきつけのスナック・キャンディの無駄に美人なママ(佐伯日菜子)から犬の散歩を頼まれ、嫌々ながら引き受ける(余談ながら、犬の散歩に糞を始末する道具を何も持参していないのはどうかと思った)。犬の次はゾウガメの散歩をさせられるケンちゃんだが、それを見た友人から偏屈な父親(友川かずき)を散歩させてくれるように頼まれる。文句を言いながらもやってるうちに、これはこれで美味しいかもと思いはじめたケンちゃん、「散歩屋」の看板を出すようになる。小学生ファッションのケンちゃんだが、別に純真だとかそういうことではなく単に怠惰で人並み程度にずる賢く、なんとなくで何でも屋をやっているだけの男という設定。自分と母を捨てたグルメ漫画家の父親ゆでぷりん(石田純一)のことは今も許していない。なお、ちなみにゆでぷりんの描いていたグルメ漫画、プリンにカレーをかけて「プリンは文化だ!」って言うという……そういうギャグが面白いと思う人向けの映画ということですね。
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