バスケットボール・クラッチ

「本当の戦いはここから」19・20日の秋田戦振り返り(コラム)

ブレックスは19日(金)、20日(土)の2日間、ホーム・ブレックスアリーナで秋田ノーザン・ハピネッツと対戦し、シーズン最終節を2連勝で飾った。

数日後に控えるクォーターファイナルに向けて、激しい試合内容となったこの2連戦を振り返ってみたい。

 

1戦目は序盤にミスを連発

ジェフ・ギブスを休ませ、代わりにアンドリュー・ネイミックが先発を務めた1戦目。8072でブレックスが勝利したものの、内容的には満足のいくものではなかった。

秋田の激しさに圧されてミスを連発してしまった第1Q(クォーター)は、ターンオーバーを6つも出してしまうという、ブレックスらしくない試合内容。1016とロースコアで迎えた第2Qは、竹内公輔の得点などで盛り返し、後半へ。

第3Qは鵤誠司の連続得点などで流れを掴むと、このクォーター残り1分を切ったところで逆転に成功。しかし第4Qには再びリードを奪われ、以降リードチェンジを繰り返す競った展開に。

64-64と同点となった残り5分。激しいリバウンド合戦を制して比江島慎がターンをしながら華麗なシュートを決めてオフィシャルタイムアウトを迎える。その後も、秋田の白濱僚祐に対するダブルチームでボールを奪うと、比江島が確実にシュートを沈めた。

秋田はタイムアウトを取得して立て直そうと試みるが、ジャスティン・キーナンが5ファウルで退場となり、徐々に流れはブレックスに傾き始める。

残り2分には、遠藤祐亮とライアン・ロシターによる激しいディフェンスでパスミスを誘発するなどして相手を苦しめ、残り2分、コーナーから比江島が3ポイントシュートを決めて786513点差に広げた。その後もリードを保ったブレックスがそのまま逃げ切り、8072で勝利した。

 

優勝を目指すチームの試合ではない

「うちは優勝することを明確に目標に掲げているが、そういうチームのゲームではないと感じた」

安齋竜三HC(ヘッドコーチ)は、勝利後とは思えないほど厳しい言葉でこの試合を総括した。

確かに、前半は秋田の激しさを受けてしまったような試合内容だった。

シュート確率も芳しくなく、第1Q30.8%、第2Q36.4%と、オープンはつくれてもシュートを決めきれない状態が続いた。

また安齋HCは、試合序盤でターンオーバーを連発し、流れを崩したことなどに触れ、「試合に入るための準備の部分に課題がある。集中力、危機感がない」と表情を曇らせた。

後半、要所でシュートを決めるなど、流れを変えるプレーを見せた比江島は、「前半は、もっとドリブルでアタックすれば良かった。でも後半は修正できたし、大事なところでシュートを決められたので、最低限のことはできたと思う」と自分のプレーを振り返る。

(残り 3772文字/全文: 4904文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

1 2 3
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ