「2,0,4,4」の金近にアドバイスをくれた先輩とは?ジェッツの強みを象徴するエピソード〈EASL〉
「シュートが入る、入らないではなくて……周りにこれだけのレベルの選手がいる中、デビュー戦で迷いなくシュートを打てるのがすごいです! 『彼はスーパースターになる』と(チームメイトと)話していました」
これは昨年2月、金近廉が日本代表にデビューした試合直後の富樫勇樹のコメントだ。
代表キャプテンの興奮と喜びが伝わってくる。世界を知っている富樫の感想はリアルなものであり、どんな環境でも臆することなく、『シュートを打ち切れる』=『自分の強みを出せる』という金近の強みを的確に表現したものだった。
4連勝で迎えたEASL(東アジアスーパーリーグ)の台北富邦ブレーブス戦、千葉ジェッツは76-60で勝利をつかんだ。1Qは17-14で終えた試合で、後半になってから相手を大きく引き離す要因となったのが、後半の金近の活躍だった、
この試合での金近のQごとの3Pシュート試投数と成功数は以下の通りだ
<前半>
1Q:2本中1本成功
2Q:3Pシュートは打たず
<後半>
3Q:4本中2本成功
4Q:4本中1本成功
2Qが終わったあとのハーフタイムに一体、何があったのだろうか?
その話に移る前に、前提として紹介すべきデータがある。実は金近のBリーグでの傾向をみると(わずかな差ではあるのだが)、前半よりも後半の3P試投数の方が多いのだ。
金近は言う。
「前半もある程度、(3Pを)狙っていることは狙っているんですけど……『無理して打ちすぎるのはよくないかな』とも思っています。ある程度、(チームで)ボールを動かして、その後に自分のところに回ってきてフリーで打ってたら、それがベストかなと。それでチームが勢い付くのが、前半にはすごく大事だと思うので」
そのような意図を明かしながらも、金近はこうも付け加えた。
「ただ、そういう考えが少し悪い方向に行く時もあります。
だから、コーチ陣からも『シュートを打つのがお前の仕事だから、前半からどんどん打っていいよ』と言われていて。そこは自分の中でも、改善していかないといけないと思っています。
ただ、今日に関しては……」
前半は2本、後半に大量8本の3Pシュートを放つことになるきっかけをくれる、頼もしい先輩がジェッツにはいた——。
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