表現の範囲が広すぎる-大阪市「ヘイトスピーチへの対処に関する条例」を検討する 2(松沢呉一) -2,423文字-
「消極的賛成に留まる理由-大阪市「ヘイトスピーチへの対処に関する条例」を検討する 1」の続きです。
メディアを通した表現を対象にしたことの不安
大阪市「ヘイトスピーチへの対処に関する条例」を検討する 1を先にお読みください。そこに書いたように、この条例案は、定義において非常に慎重に練られています。それでもこの条例に不安を抱く人たちの最大の要因は、対象とする表現活動の範囲が広い点にあろうかと思います。おそらく共産党もここにひっかかりを感じているのでしょう。
第一章第2「定義」の2。
2 「表現活動」には、次に掲げる活動を含むものとする。
(1)他の表現活動の内容を記録した印刷物、光ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)その他の物の販売若しくは頒布又は上映
(2)インターネットその他の高度情報通信ネットワークを利用して他の表現活動の内容を記録した文書図画又は画像等を不特定多数の者による閲覧又は視聴ができる状態に置くこと
(3)その他 他の表現活動の内容を拡散する活動
つまり、出版物、ビラ、録画物、録音物、インターネットのすべてが対象になります。
「ここまでを対象にする必要はなかったのではないか。街頭行動だけでよかったのではないか」との思いが拭えない。
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