異常個体をどうするのか-ペットショップの証言 2(松沢呉一) -2,759文字-
「近親交配による異常発生の確率-ペットショップの証言 1」の続きです。
百万円で売れる奇形個体
前回に続いて、ペットショップで聞いてきた話です。
注意することでその確率は下げられるとは言え、病気の個体、奇形の個体は生まれます。遺伝とは関係がなく、そういった子どもが生まれることも当然あります。
—そういう時はどうするんですか。殺す?
「奇形や病気の程度によるし、種類によります。高く売れるのもあるんですよ。双頭のヘビやトカゲだと一気に値がつく」
双頭のヘビやトカゲは伝説に登場することもあってか、爬虫類マニアの垂涎の的です。
「もちろん、めったにあることではないんですけど、実際に販売された例があります。奇形動物の展示や販売は、動物愛護団体からのクレームがつくので、表立っては販売しにくくて、マニアに直接連絡することが多いようです」
—いかほどで。
「種類にもよりますが、トカゲやヘビの類だったら100万はすると言われてます」
!
「ただし、育てるのは難しくて、双頭のトカゲを100万以上で買って、一週間で死んだ例もあると聞いてます。マニアはそれでもいいんです。珍しいものを所有していたことで満足する」
マニア同士のネタとして一生もんです。
—背骨が曲がっているとか、内臓が異常だとかの場合は?
「そのことを説明して、安く販売します。とくに女の人はそういう動物を哀れんで買う傾向があるので、需要があるんですよ」
この気持はちょっとわかります。私は老犬が好きです。哀しみを湛えた表情がたまらない。最後まで看取ってやりたくなる。
※本文とはあんまり関係ないですが、写真はソウルで見かけたムシ。形も色も面白いのでつい撮影。なんというムシか不明。
売れない奇形や病気の個体はどうなるか
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