相談ついでのラブホ—浮気における女の大胆さ、男の小心さ 上-[ビバノン循環湯 277] (松沢呉一) -2,959文字-
「エネマニア」という、よく知らない雑誌に掲載されたもの。当時、性風俗ネタだと何誌か書くところがあったのですが、それ以外のエロネタを書く媒体がない。それでも原稿の形にて溜めていて、あまりに未発表原稿のストックが増えたため、原稿用紙一枚三百円だったか五百円だったかでセールをやって、必要な枚数に合わせて原稿を送るとネットに書いたら、この雑誌が大量に原稿を引き取ってくれました。そのうちの一本がこれ。
掲載されたのはもっとあとだと思いますが、2001年に書いたもので、中に出てくる自殺した知人は青山正明。
足りない図版はメトロポリタン美術館から借りました。男の裸写真もパブリックドメインのものがあるのですけど、チンコが出てますので使いにくい。消すのが面倒な上に著作者の人格権を尊重する上でも好ましくない。刑法175条によって男の裸は使われにくく、女の裸が溢れることになります。
浮気相手といる時に平然と電話ができるかどうか
個人差はあれど、一般に男より女の方がたいてい浮気については大胆で、女より男の方がたいてい臆病だと思う。「いざする時は」ってことだが。
たとえば、彼氏や夫のいる相手と遊ぶとする。彼氏や夫がいることを私がすでに知っていることが前提だと、無茶苦茶大胆なことする。
目の前で彼氏に電話して、「今うちに帰ってきたところ。疲れたから、今日はもう寝るよ」なんて言ってそのままホテルに泊まる。夫に電話して「あ、アタシ。これから買い物して帰るね。時間かかりそうだから、先にご飯食べてていいよ」なんて言って、もう一発ハメる。
ああいうことって、男は案外できないもんじゃないか。他の人のことはよく知らないが、私はできない。
他の女と会っているときに、本当は電話しなければいけないのにしなかったり、電話がかかってきても出なかったり。それで他で遊んでいたことが結局バレる。電話したらしたで、声の調子が上ずって、やっぱりバレる。
私の場合は最初からそういう人間だと思われているので、たいして揉めることはないわけだが。
男と全裸でいるのに、いつもと同じ調子で、「今一人だよ。タカシのこと考えていたの」なんて言って、横にいる私は「よくも言うな」と半ば呆れ、半ば感心する。そういう図太いのが私は好きなので、呆れ、感心して好きになる。
相談のあとはラブホへ
この間も、それを実感した。
相談があるというので、以前から知り合いの小娘に渋谷で会うことになった。
食事をしながら、彼女の悩みを聞いた。以前からそのことは聞いていたのだが、彼女は二股をかけている。それぞれ違う魅力をもっている男で、どっちをとっていいのか迷っているのだ。
一人を選べないというのなら、どっちともつきあい続ければいいようなものなのだが、ちょいと事情があって、そうもいかなくなってきており、どちらかに決めなければいけないところに彼女は立たされているのである。
一時間ほどあれやこれや話をし、彼女も考えが整理できたところで私はこう言った。
「ということなんだが、それはそれとして、セックスでもするか」
前々からよくこういうことは言っていたのだが、今日に限ってなぜか彼女は承諾し、道玄坂のホテルに入った。二股をしている以上、その合間に一本二本増えたところで大勢に影響なしというところか。
服を脱がすとやたらと恥ずかしがる。初めて私とラブホに入ったことを恥じらっているのかと思ったら、そうではなかった。
「しまったあ、今日はこういうことになるとは予想してなかったら、三枚千円のパンツをはいてきちゃったよ」
そんな安いパンツだとは、言われなければわからんが、ブラとパンツがバラバラである。
「ごめん、ごめん、今度会う時はもっといい下着をつけておくね」
「気にするな。オレも三九八円のパンツだ」
数十円違うが、お揃いと言えなくもない。
※写真のラブホは渋谷ではありません。
クリがメチャ痛い
互いに裸になって風呂場でシャワーを浴びる。石鹸で彼女の体を洗ってあげているうちに彼女は早くも感じ始め、クリをいじると、声が出てきて、腰を動かす。彼女を浴槽のヘリに腰掛けさせて足をなめ、少しずつ、股間に近づいていく。彼女は私の頭を両手で押さえる。ヒダに舌を当てると、声がいっそう大きくなる。
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