ミネラルウォーターの銘柄も間違えられない契約—KaoRiとアラーキーの件から考えたこと(7)-(松沢呉一)-3,241文字-
「音楽業界で契約書が求められる理由—KaoRiとアラーキーの件から考えたこと(6)」の続きです。
ミネラルウォーターの銘柄まで指定する契約
権利や人が複雑にからむと契約書は必須となります。
このことは億単位の金が動く広告だったり、ハリウッド映画だったり、世界的なミュージシャンのコンサートだったりを見ればわかるでしょう。
超大物まで至らずとも、大きなエージェントに属している外タレの契約は細かいです。音楽業界時代の記憶では、楽器やPA、宣伝に使用できる写真などの指定はもちろん、ホテルや楽屋のケータリングまで指定されていたり。
あいまいな記憶ですが、ステージに用意するミネラルウォーターの銘柄が指定されていることもあったはず。
本人の体質や趣味趣向があるとは限りません。現実にはアバウトだったりしても、いざトラブルが起きた時のために決め込んでおく。国によってはチープなミネラルウォーターを飲んで下痢しますから。
ひとたび決めると、それを守らないわけにはいかず、本当は水道水でもいいのだけれど、万が一、下痢をしたら、そこを突かれるので、招聘会社も指定のエビアンを用意しておく。
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