20点から90点に—顔よしスタイルよし性格よしでも指名が戻ってこないヘルス嬢の指導[下]-[ビバノン循環湯 540]-(松沢呉一)
「ちょっとした癖が客を遠ざけていた—顔よしスタイルよし性格よしでも指名が戻ってこないヘルス嬢の指導[上]」の続きです。
声を出しそうになりました
抱き締めてもいやがらず、体がゆるんで、心もゆるんだみたい。
「これじゃあ、仕事じゃないですよね」
「いやいや、こうなった方が喜ぶ客がいっばいいるのだから、これもサービスのうちだ」
「声を出しそうになりました」
「出せばいいじゃないか」
「恥ずかしいです。そのことが気になってなかなか没頭できなかったです」
「“イクーッ”とか“気持ちイイーッ”とか、言ってしまえばよかったのに」
「そういうことを言いそうになりました」
「だったら言えよ」
「今度頑張ります」
「じゃあ、もう一回やってみよう」
「えっ、無理ですよ」
再度クンニしたが、まだ゜敏感になっているようで、これは失敗。
「もう時間がなくなっちゃいます」
正常位素股をしながら、演技指導を続ける。
「さっき指を噛んでいただろ。あれはいじらしくてよかったよ」
彼女の指を口にもっていくと、照れながらも指をくわえている。
「気持ちいいって言ってごらん」
「ああ、気持ちいい」と小さい声であとに続いた。
「“大きいオチンチンが私のクリにこすれてメッチャ気持ちいい”って言ってごらん」
「えっと、それは言えない。でも、本当に気持ちいい」
乳首にローションを垂らす。
「ダメですよ、そんなことしたら。また気持ちよくなっちゃうから」
「だから気持ちよくなっていいんだって。気持ちいいのは嫌いか?」
「好きです」
「“ああー、チョー気持ちよくなってきて、私のマンコから汁がジュルジュル出ている”って言ってごらん」
「ウー」
※Time for Beautiful Skin Again: The Secret of Younger Skin
もっといやらしい声を出せると思う
せっかく言葉の指導をしているところだったのに、ここで時間切れ。よくあるように、この日も私は射精せずに終わってしまった。
「ごめんなさい、私ばっかり楽しんでしまいました」
「いいの、いいの」
「本当にいいんですか?」
「怒る客もいるかもしれないけど、オレみたいな客にはこれでいいの。だって、楽しかったじゃないか」
「はい、楽しかったです」
「一緒に気持ちよくなった方が楽しいでしょ」
「はい。今までは自分が楽しむなんて考えたことがありませんでした。お金をもらっているから、相手に楽しんでもらいたいってことばかり考えていたから。自分も気持ちよくなってもいいんですね」
「相手によりけりだけどね。オレが相手の時は気持ちよくなっていいよ」
「気持ちよくなります。てゆうか、イヤでも気持ちよくなっちゃいそう」
前の店はもちろんそうだし、この店でも、やらなけれぱならないことが決められているから、そのマニュアルをこなすので頭がいっぱいになってしまって、それが事務的という印象になる。たぶん彼女も「あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ」「最後はしっかり射精させなきゃ」という考えで頭をいっぱいにしていて、会話を楽しんだり、自分が楽しんだりすることなど微塵も考えられず、これが指名につながらなかった理由になっていたのだと思われる。
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