松沢呉一のビバノン・ライフ

東京・神戸・名古屋の違い—防犯カメラのある性風俗店[上]-[ビバノン循環湯 522] (松沢呉一)

トイチがトニに—監禁されたヘルス嬢[4]」に、隠しカメラや盗聴器を仕込んでいる店があるという話が出て来ました。その原稿が出てきました。雑誌には未発表で、メルマガの講読者用にevernoteで初公開したものっぽい。「トイチがトニに—監禁されたヘルス嬢[4]」には『風俗ゼミナール』に収録されているかのように書いてありますが、勘違いだったかも。あるいはこれとは別の原稿が収録されているのかな。もう記憶が全然ない。

図版は「女とカメラ」というテーマで著作権切れの写真を集めてみました。

 

 

 

地域の違いがカメラに出る

 

vivanon_sentence防犯カメラのついている性風俗店がある。とくに最近はその名の通り防犯用に、店の入口につける店が増えている。常時、数十万という現金が置いてあるので、狙われやすいのである。また、従業員が金を抜いたり、仕事をさぼったりしないようにフロントにつけている店もある。

待合室にカメラのある店も多く、これは女のコが客をチェックするためだったりする。小さい町だと知り合いが来てしまうかもしれない。また、事前に誰なのかがわかっていると、事前にメモを見直して、「わー、山本さんだぁ。3ヶ月ぶりだね。子どもは生まれた?」と会った時のセリフも準備できる。

マジックミラーになっていて、女のコの控え室や通路から見られる店もあるが、建物の構造上、マジックミラーはつけられず、カメラを設置している店があるわけだ。

さらには個室内にカメラを設置している店もある。これは、女のコがしっかりサービスをしているかどうかをチェックするためと、悪質な客を監視するためだ。

東京近郊で何軒もの風俗店を経営しているオーナーとダベっていて、地域によって働く側の意識も客の意識も違うという話になった。この辺をリサーチせずに他府県から関東に乗り込んで失敗するケース、あるいは関東から他の地域に進出して失敗するケースはよくあるものだ。

関東と関西の違いの例としてそのオーナーが挙げていたのはビデオカメラだ。

「関西は個室内にビデオカメラを設置しているところがありますよね。東京じゃ考えられないですよ」

関西にはホントにこういう店が多いのである。とくに神戸。

The History of Photography, Animated

 

 

神戸では個室内カメラが当たり前

 

vivanon_sentence有名どころでは神戸・福原にある、 「超」のつく人気ヘルスI。ここは堂々個室にカメラが設置してあって、客の誰もがこのことを知っており、個室内は禁煙のため、タバコを吸うだけでも、すぐに注意される。フロントからマイクでそれぞれの個室に声を流すことができるのである。

この店にカメラがあることは私も現物を確認して知っていたが、社長はこう続ける。

「それ以外にKグループも、お客にはわからないようにカメラを設置していて、常時チェックしてますよ」

「えっ、そうだったんだ」

ここも神戸・福原の有名な系列で、私も遊んだことがある。フェラされたり、クンニしているところを見られていたかと赤面した。

 

 

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