松沢呉一のビバノン・ライフ

またも中国深センの「賽格広場」の話—同時期に建てられた中国の高層ビルは危ない?-(松沢呉一)

 

深センの「賽格広場」周辺に引っ越すなら今がチャンス

 

vivanon_sentence先月末から今月にかけて10日間「ビバノン」の更新をお休みしましたが、先月は1日1本以上をなんとかクリアし、今月も1週間を残してすでに1日1本以上をクリアしてます。いつまたパソコンが壊れても大丈夫。

どこまで伝わるかわからないですが、ナチス・シリーズの「ゲッベルスは天才」以降しばらくは重要な内容が続きます。「ゲッベルスは天才」はだいたい最後まで書き終えたのでスタートしましたが、一連のユニットの最後までは書き終えていないので、まだ死ねない。

かなりの無理をしているので、時々気分転換をしないと頭がおかしくなりそうです。

で、また気分転換。

ちょっと前に、中国深センの高層ビル「賽格広場」(SEGプラザ)について軽く触れましたが、あのあともずっと気になっています。だって怖いじゃないですか。

汚職が恒常化しているため、裏金を出せば地盤の調査も設計上のミスもなんでも見逃されるし、裏金を作る分、手抜き工事が蔓延して、なんもしてないのに橋が崩落するわ、ビルが崩落するわの中国」ですから、これも中国固有の理由だったら限定的なのですけど、もしあのビルの欠陥が同じ工法のビルすべてに共通していて、老朽化とともに世界各国で揺れるようなことになったらパニックですよ。

私は「住んでいいのは5階建てまで」と思っているので関係ないですけどね(火災になっても5階までだったら飛び降りて骨折で済みそうなので)。

立入禁止になって以降もまた揺れたとの報道も出ていますが、なお原因は不明で、よって崩落の可能性がないわけではない。崩落してもビル内部ではもう人的被害は出ないとして、倒れた場合、周辺も危ないですから、近隣のビルからも退去する例が出てきていて、家賃が暴落しているらしい。あのエリアに引っ越すなら今がチャンスです。

※5月22日付「網易

 

 

消えた中国メディアの記事

 

vivanon_sentence気分転換に中国国内の報道をつらつら見ていたら、「網易」というネットニュースがこれについての記事を多数出していて、その中に説得力のある記事が出ていました。

この記事はそのあとすぐに消えてしまって、わずか1日も出ていなかったのではなかろうか。掲載期間が過ぎたとも思えず、どっかしらからクレームがついたのだろうと推測できます。

中国ではよくあることなので、SSだけはすぐに撮ってました。ここに出したSSです。傾いて見えるのは写真のせいです。こんなにひどい状態ではない。

消えた記事は5月21日に出ていて、遅くとも翌22日には消えていて、その代わりかのように出た記事が「赛格广场这一抖给所有摩天大楼提了一个醒」(賽格広場の揺れは、すべての高層ビルを思い出させる)。上に出したSSの記事です。

つまりは「(中国の)他の高層ビルも同じかもよ」ってことです。何が共通しているかというと、「1990年代から2000年代初頭は、建設業界の情報管理のレベルはまだ比較的低く、情報が不足していた」って点です。

妙に短い記事なので、代用記事ではなかろうか。消えた記事ではさらに詳しいことが書かれていたのです。

 

 

賽格広場が揺れるのは今回が初めてではない

 

vivanon_sentence軽くメモはしてましたが、もっぱら私の記憶である上に、なんらかのミスがあって削除された可能性もありますので(他にも「網易」の記事で消えているものがあります)、それを踏まえて以下をお読みください。

 

 

 

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