松沢呉一のビバノン・ライフ

禁煙してからタバコの値上げに怒った—ある種の人々にとって絶大な効果のある禁煙法を実践した[下]-(松沢呉一)

発作的に禁煙しました—ある種の人々にとって絶大な効果のある禁煙法を実践した[上]」の続きです。

 

 

タバコの値上げはひどすぎる

 

vivanon_sentence今回タバコをやめる気になった背景には10月の値上がりがあります。値上がりすることはわかっていたのですが、自分の吸っている銘柄が値上がりするのか否か、値上がりするのがいくらかかはわかっておらず、わかったのは禁煙2日目です。検索しました。遅いわ。

以下はJT商品の一部

 

 

 

キャメルのシガーを吸っていたのですが、100円も値上がりってふざけんなよ。禁煙中ですが、100円も上がって500円になることを知ってフツフツと怒りが湧いてます。値上がりのことを正確に知って、これも禁煙2日目の追い風となりました。

数年前にパイプを導入したのも安く抑えるためです。パイプだけならいくら吸っても月に1万円もいかないのですが、外でパイプは吸いにくく、家でもパイプだけってわけにはいかない。なんでかと言うと、パイプは強い分、思い切り吸うものではないためです。くゆらすもの。一日に何度かは紙巻を思い切り吸い込みたくなるのです。とくにメシを食ったあとの紙巻はうまくて、そのあとしばらく紙巻を吸います。

たまたま紙巻が切れていて、丸一日パイプだけで済ませることもあるのですが、やっぱり紙巻が吸いたくなってきて買いに行きます。その一服目はクラクラすることがあります。同じタバコでも吸い方がまったく違うので、私は「パイプだけ」は無理でした。

電子タバコもそうです。「だけ」は無理。それと、電子タバコって、本体があるじゃないですか。あれを落とすか忘れるかして、金がかかります。

パイプと紙巻の併用だと、月に2万くらいになってしまい、そのどちらもが値上がり。

そろそろ自家製のアンダーグラウンド・タバコマーケットが出てきているんじゃないかと思うんですけど、あいにく私のところには声がかかりません。

タバコの 自家製造や販売は罰則も厳しいですけど、栽培は違法ではないので、大麻のように庭やベランダで栽培しているところを発見されただけでは捕まりません。バレにくいと思うんですけどね。思っているだけで、「やりましょう」なんてことは言ってないので誤解なきよう。

※最後に吸ったパイプタバコ。パイプタバコは気分でいろんなものを吸うのですが、よく吸っていたのはこの「」。パイプタバコはさまざまなフレイバーのものが出ていて、バニラはポピュラーですが、とってつけたような味のものもある中、これはしっくり来ます。値段も安い。今回値上がりするのかどうか知らないですが、今までは40グラムで1,100円。

 

 

喫煙所巡り

 

vivanon_sentence値上がりの後押しもあって、順調に3日目に入りました。一昨日の日曜日です。

暗いうちに3時間ほど寝たら、以降、全然眠くなく、タバコも全然吸いたくなくて、「これはもう4日目の状態だな」と思いました。「吸いたいポイント」が4か5です。今回、木曜日もすでにあんまり吸っていなかったことも関係しているのかもしれない。

ここで気が緩みまして、夕方から外出して、露天風呂のある銭湯に行きました。

ところが、まだ早すぎました。タバコを売っている店の前を通ると吸いたくなります。今までそんなに値上がりを意識していなかったのですが、コンビニを筆頭にタバコを扱っている店はどこもカートン買いを勧めています。

とくに小さいタバコ屋さんの前を通ると、買わないと申し訳ないような気がしてきます。

それは無視できても、喫煙所で他の人が吸っている横にいると思い切り吸いたくなります。「わざわざ喫煙所に行って、吸っている人の横に行くなよ」ってことなんですけど、石川啄木の「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聞きにいく」ですよ。話しかけるでなし、訛を聞いてどうなるもんでもないわけですが、それでも懐かしむために駅に行くのと同じく、喫煙所に行ってどうなるもんでもないですが、それでも雰囲気だけでも味わいたくて、喫煙所を見かけると立ち寄ります。

 

 

next_vivanon

(残り 905文字/全文: 2622文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ